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生きてるけど、今は家族のことを最優先中!
「くすぐりの塔」はキャンサーさんから作品が届き次第、ちゃんと更新していきます!
(今は公開させていただいた作品が手元に届いているすべてです)
ご連絡:キャンサーさん、何度かメール送っているから、ご返信くださ~い
2019/03/14(木)に投稿された記事
朝倉のはずだったのにハルヒをこちょこちょになったよ記念!
朝倉は弄りやすいのですがハルヒはいじり甲斐があるのです。
そして、スライムを生み出すには重曹溶解液、つまり重曹を溶かした水が必要で、幸いにしてこの部室には洗い物用の重曹が箱で1つ用意がある。
「触手は単体でも粘液を分泌するがその量は少量、捕食対象を用意しまとわり付かせ、そこに重曹溶解液を投入する必要がある」
「……ヒッ」
朝倉は一瞬だが長門の口元に不敵な笑みが浮かぶのを見たような気がして声を上げてしまった。
しかし、確かに触手は体温を感知し、生きている以上どうする事も出来ない汗、そこに含まれる塩分と水分、加えて代謝で生成されるタンパク質を求める以上、避ければ「はいどうぞ」と通してくれる優しさなど持ち合わせていない事は明らかである。
加えて、彼女たちが所有を許されている武器は長門謹製の槍のような物以外は、後は置き傘と金属バッドぐらいな物。
これだけで、地球外生命と判明した明らかに敵対するであろう相手に立ち向かうのは自殺行為以外の何ものでも無い。
「なぜ、当該生命体がくすぐりを行うのか判然としない現状、障壁を個別にかつ慎重に排除する事が合理的」
「で、でも!誰かが触手に突撃しなくちゃいけないわけでしょ……?」
と言いながら朝倉はハルヒを、長門までもがハルヒに視線を向ける。
一瞬きょとんとした顔をして、ちょっと考える仕草をしてからハルヒはブンブンッと頭を横に振った。
「な、なんで私を見るのよ!?嫌よ!あんなワケ分かんないのにまた変な事されるなんて!」
と言いながら、ハルヒは内心ドキドキとした言い知れない熱い鼓動に胸膨らませている自分に気づいていた。
久々に自らの肉体に流し込まれた妖しげな刺激によって、幼少の頃の延々とくかぐり回された体験、その際に全身を包み込んだ甘い火照りを彼女ははっきりと思い出していた。
確かに長時間の責め苦は苦しく絶望的ではある。
しかし、彼女にとってその苦しみは甘美な色彩を放つ一種の「嫌よ嫌よも好きの内」とも言えるものであり、あの柔らかな触手に敏感な肌をまさぐられる事を思い出すだけで、じっとりと肌が汗ばんで行く。
さらに言えば、ハルヒにも分かっているのだ。
あの触手たちが蔓延る校内を抜けて外界に出なくては、この部室にある物品だけで立て籠もり続ける事は不可能と言って良い。
食料も無く水も残り少ない、加えてここにいるだけでは何も変わらず、あの謎めいた生物に支配されたであろう町を取り戻す事も出来ない。
「問題ない、当該刺激は訓練により慣れる事が可能」
ハルヒは自らの体験から、それは嘘だと思った。
触手に延々とくすぐられている時も、子供の頃の体験によっても、くすぐりに慣れる事は決して無く長時間にわたって彼女は笑い苦しんだからである。
もし慣れる事が許される刺激であったなら、数時間にも及ぶ彼女へのむず痒い刺激に、彼女は悩まされる事はなかったはずだ。
プールの時、休憩時間中にハルヒを取り囲むように女子たちが群がり、文字の当てっこと称して腋の下に文字を書かれた時。
何度も何度も間違ってしまうハルヒ、しかし彼女にも分かっていたが、女子たちの指先がなぞり描く文字は意味のない図形であったのだ。
腕を挙げさせられて露出された腋に延々と悪戯をされ、笑い転げようにも背後から抱き着かれて動く事も逃げ出す事も出来ずに。
休憩時間の15分を延々とくすぐられた時、あの弱々しい刺激にすら彼女の体は決して適用出来ず、ただただ笑い続けた事を思えば「慣れる」など到底不可能。
実は長門が言った「くすぐりに慣れられる」は真っ赤な嘘である。
くすぐりとは自律神経の混乱によって生じる感覚、言わば人体の神経反射であり慣れる事など不可能、ましてや訓練によって鍛えられるのは体の敏感さと腹筋ぐらいなもので、耐えようとすればするほど体はより感度を上げてしまうと言う、言うなれば長門の罠であった。
「また、訓練と並行し当該生命体の挙動を把握したい。なお、涼宮ハルヒは疲労しているため、必然的に朝倉涼子が被験体となる」
「え?あれ?私さっき触手にコチョコチョーって……?」
朝倉は不思議に思った、確かにハルヒは先ほどの長時間にわたる触手たちの悪戯によって体力を奪われている、これに異論は無い。
しかし、彼女自身も同じく最もくすぐりに弱い腋を数十分ほどくすぐられ、加えて先ほどの長門の実験でもさんざん腋を弄り回されているのである。
「問題ない。涼宮ハルヒは一般人、あなたは一般人ではない。何と言うかスゴさが違う」
ビッと親指を立てる長門、彼女の言葉を聞きながらハルヒは「やっぱり」と目を丸くしていた。
この状況においても決して折れない屈強な精神力、実験やらと称して仲間のはずの朝倉を触手の餌食に平気な顔でしてしまう長門、敏感過ぎる体をくすぐり回されても尚、さらにくすぐられようとしているにも関わらず比較的動じていない朝倉。
先ほどまでの不思議な能力、分析力、行動力、何を取っても一般人のそれを凌駕していたのは、この二人が何かそういう関係のスゲーヤバイ人たちだからこそ。
「そういう関係」がイマイチ彼女にも良く分からないが秘密組織とか極秘機関とか、そういう感じの普通じゃない所に所属しているに違いないと。