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2009/06/22(月)に投稿された記事
博麗神社は今日も平和です 導入
投稿日時:03:02:46|コメント:4件|》本文を開閉
ディレクトリ:(未完成)東方 - *博麗神社は今日も平和です
だが眠れない!
エロ小説です。
何このテンション・・・
(霊夢×萃香)×天子
の導入でふ
ちなみに萃香はお気に入りです。
って言うか、あの瓢箪くれないかな・・・
本文章は「上海アリス幻樂団様」により制作されたシューティングゲーム「東方Project」の二次創作物です。
毎日が平坦で楽しみと言えば仙桃の木が生えた庭園を散歩する事ぐらい。
衣玖から耳にタコができるほど聞かされた天界の歴史なんて、今さら巻物の紐に指すら掛けたいとも思わない。
一日中ぼーっとしているのが堪らなくつまらなくて、衣玖の目を盗んで顕界へ降りた私は、最初はからかい半分に博麗の巫女が住んでいる神社に足を運ぶようになった。
山間の不便な場所にある博麗神社、こんな所に人間が参拝に来るはずもなく毎日が暇を持てあましていると言った様子の霊夢。
ほうきで彼女が掃き掃除をしているのを眺め、彼女がぶっきらぼうに差し出してくれるお茶とお煎餅を頬張って、太陽が東から西へ傾いていくのをぼんやりと眺めて一日が終わる。
天界とさほど変わりのない一日。
これと言って面白い事があるわけでもなく、ただ穏やかに時間だけが流れていく。
でも、こうやって縁側に座って穏やかな風に吹かれながら一日を過ごすのも悪くない、と感じるようになったのはいつの頃からなのだろう?
たまにやって来ていた博麗神社、それが数日置きになり、一日置きになり、毎日通うようになり……
気がつくと、私はここで一日の大半を過ごすようになっていた。
霊夢は不思議な人間だ、いつも一つ距離を取っているようなのに、私の他愛もない話しをじっくりと聞いてくれる。
天界からのお土産に仙桃を持ってくると、無邪気な笑顔で目をキラキラと輝かせる。
縁側に腰掛けて、少し固めだけど糖度の高い仙桃を頬張って足をパタパタさせる彼女の姿を見ていると、おかしな錯覚を覚える事があった。
霊夢と知り合って日も浅いのに、まるでずっと昔から知り合っていたような。
彼女が見せる距離を取ったような態度も、不器用な彼女なりの表情の一つなのではないか。
毎日が博麗神社を吹き抜ける風と共に過ぎていく。
霊夢と自然と会話が交わせるようになったのは、いつの頃なのだろう?
仙桃を頬張る彼女の横顔を見つめたり、スペルカードルールを作った由来だとか、数々の異変を解決して来た彼女の武勇伝を話してもらったりする中で、私はきっとこの場所が好きになってしまっていたのだと思う。
霊夢がいる博麗神社、霊夢といる時間。
この神社には参拝者はまるでやって来ないけれど、私の事を毛嫌いしていたほうきに乗った人間や、透き通るように綺麗な金色の髪の毛の人形師、スキマを操る人妖と、その式たち。
色々な妖怪や妖精、人ならぬ力を持った人間たちが、ここには沢山やって来る。
未だに魔理沙とは話しも少しぎこちないけれど、ほんのちょっとだけ二人きりでいても笑い合う事が出来るようになった。
人形師が見せてくれる素敵な人形劇は本当にすごくて、糸が付いていない人形たちが可愛らしく立ち振る舞う姿は、まるで魔法でも見せられているかのようだった。
スキマ妖怪が霊夢にちょっかいを出して、それに顔を真っ赤にして怒る霊夢の様子を苦笑いを浮かべながら見守る九尾の狐と、指をくわえて九尾の狐の袖を掴んでいる猫又。
日傘を差してやって来る紅魔館の主と、その後ろにバスケットにいっぱいのサンドイッチを下げたメイド服姿の純白の髪をした女性。
そのサンドイッチが本当に美味しくて自家製のマヨネーズの程よい酸味と、カリッと焼けたベーコンが癖になってしまいそうだった。
その事を咲夜に伝えると、彼女はほんのちょっとだけ照れくさそうにしながら、レミリアの首もとに巻いたミニエプロンに落ちたマヨネーズを甲斐甲斐しく拭き取っていた。
天界では誰かと話しをしようにも、みんな無気力でつまらない話しばかり。
衣玖は私に勉強をしろと言うばかり。
息が詰まりそうなほどに退屈だった毎日は、博麗神社へ通うようになってから変わり始めている。
以前は顕界に行くなどと言ったら眉間にシワを寄せた衣玖の小言を聞かなければいけなかったが、最近では半ば諦め顔で「あまり遅くなりませんように」と言ってくれるようになった。
私の中で確かに何かが変わり始めている。
相変わらずの青空、遠くから聞こえる小鳥の声は、人里近くに作られた田んぼに巣を作るヒバリの声なのだと霊夢が教えてくれた。
縁側に腰掛けて、ぼんやりと雲が流れていくのを見つめていると、のんびりと流れるあの雲の上でお昼寝をしたい……なんて事を思って苦笑い。
顕界の人々は天界を桃源郷のように考えているかも知れないけれど、実際住んでみれば、そこがいかに退屈な場所であるかが分かるはずだ。
相変わらずこれと言ってする事もない、参拝客がやって来るわけでもない。
私の横では花柄の紫色をした布に裁縫をしている霊夢。
さっき、一体何を作っているのかと聞いたら、お手玉を作っているのだと言う。
真夏の盛り、これから博麗神社は賑やかになる。
夏祭りに祭事、妖怪退治屋の卵たちに通力の基本を教えたり、『夏の宴』なる妖怪たちと一部の人間入り乱れての飲み会なんかも企画されているらしい。
このお手玉を一体何に使うのかは分からないけれど、ちょっと前に人里から一人でやって来たという男の子に優しく接する彼女の姿を見ていると、大体見当がついた。
「よし、できた!」
幾つもの小さな布地に糸を通し終えた霊夢は、布を床に置くと大きく背伸びをする。
空の高い位置に昇った太陽が燦々と輝いて、彼女の綺麗な黒髪がキラキラと輝いて見えた。
まるで太陽が彼女の髪を優しく解かしてくれているみたい。
私は元々人間で、地上の話しなんて大昔の出来事のように、まるで忘れてしまっているけれど……
きっと、こうやって霊夢の近くにいる事で、地上にいた頃には気づけずに、天界に昇って忘れてしまった色々な事を教えてもらっているような気がする。
「さて、お茶にでもしましょうか」
裁縫道具を竹編みの籠にしまいながら霊夢が言う。
今日のお茶請けは天界から持ってきた不思議な果物。
色は赤く、透き通っていて一見しただけでは水晶玉と見間違ってしまうような丸い形。
天界では比較的ありふれた食べ物だけど、顕界で食べるのはきっと霊夢が最初の人間。
今朝に霊夢に見せた時の反応はイマイチ。
でも、一つ手に取ってパクリと一口かじった後の反応は、ふにゃふにゃの笑顔。
そのほかのお茶請けは、霊夢お手製のわらび餅。
私が地上にいた頃は今から千年も昔の事だったから、わらび餅を食べるのは初めて。
透き通ったこの水菓子がどうして「わらび」なのかと不思議に思って聞いたところ、わらびから取ったデンプンを使っているかららしい。
私が知っているお菓子と言えば、久多毛能(くだもの)ぐらい。
衣玖から学んだ顕界の歴史によれば、このわらび餅をはじめとした「お菓子」は遣唐使が持ち帰った唐菓子に起源があるらしい。
その後、鑑真が天皇へ献上した黒砂糖が、私の大好きなあまーい砂糖の始まりだとか……
そんな歴史があるにせよ、ないにせよ、私は霊夢が出してくれるお菓子が大のお気に入り。
天界にはない水羊羹を初めて食べた時の感動は、比那名居一族において、その歴史を記すとしたら端書きの第一文に『水羊羹を食ひたる事、正に妙味也』と書かずにはいれらないほどの絶品だった。
天界には天界にしかない色々な物があって、顕界には顕界にしかない色々な物がある。
それぞれの世界は意外に退屈で、それでいて実は意外と忙しい。
縁側から少し入った居間には巨木の切り株で造られた座卓と座布団。
並べられたお茶碗は3つ。
霊夢と私と、あともう一人は……
「相変わらず暑いねー」
寝て起きたばかりのような顔をして、ボサボサの髪の毛。
その頭から伸びるゴツゴツとした2本のツノは、彼女もまた人ならぬ者である証拠。
……鬼と言うと私にはピンと来ないが、彼女は妖怪と一括りにされる人ならぬ者の中でも、際だって強い力を持った種族なのだと言う。
そのまるで幼子のような姿を見た限りでは剛力や通力の一端すら垣間見られないものの、この間、大の男が何人かかっても持ち上げられそうもない大岩を、片手で軽々と持ち上げている姿を見た時は心底驚いた。
鬼が神社にいる事が果たして正しい事なのかどうかは分からないが、そんな事を言ったら天人が神社にいていいのか?という疑問も沸々。
そもそも、そんな矛盾のような物は、この顕界ではあまり意味がないのかも知れない。
和風の神社にやって来る魔理沙は西洋の魔法使いだけど和食派だし、妖怪退治の専門家であるはずの霊夢の周囲にはウヨウヨと妖怪が集まってくる。
矛盾と言えば、どうでもいい話しだが、私が地上にいた頃の名前である『比那名居地子』の、『名居』は地震の『地』を意味している。
比那地地子……強烈な強打とか、二番目のNEXTぐらいのインパクトがあるが……まあ本当にどうでもいいんだけど。
「れいむー、今日のツマミは?」
「ツマミ言うな。天子が持ってきてくれた……謎の果物と、わらび餅よ」
実は私もあの果物の名前を知らない。
「おおー、いつも悪いねぇ天子さん。今日は特別に私愛飲の日本酒をご馳走してあげよう」
萃香はそう言いながら、瓢箪をズイと差し出してくる。
その瓢箪から放たれる異常なほどの酒の臭い……それを嗅ぐだけでも頭がクラクラして来そうだった。
「あ…い、いや、私あんまり強いお酒は……」
天界にある練酒(ねりざけ)や、私が好きな桃酒はそれほど強い酒ではなく、どちらかと言うと糖度の高いジュースのような飲み物。
酔っぱらうのは確かに楽しいし、お酒もとても美味しいけれど、萃香が薦めてくれた瓢箪から放たれる酒度にはおどろおどろしい妖気のようなものの気配すら感じられた。
「まあまあ、天界って所では毎日が飲めや歌えの大宴会なんだろう? これぐらい楽勝だって」
ズイズイと瓢箪をさらに差し出してくる萃香。
あどけなさすら感じさせる表情からは、彼女がここ幻想郷でも古参の妖怪である事など感じさせる要素は一切ない。
そして、その顔には邪念は微塵にもなく、純粋に自分が好きなお酒を楽しんでもらいたい……と心から思っている事が分かる。
分かるだけに断れない。
私は他の天人に比べるとお酒はそんなに強くないし、昼間からお酒を飲んで酔っぱらわずにいられる自信なんて持ち合わせていなかった。
あたふたとして両手で瓢箪を押し戻そうとしていると、霊夢の助け船。
「萃香、あんたが飲んでる酒って鬼の酒でしょ?そんなの飲ませて天子がひっくり返っちゃったらどうすんのよ」
急須からトプトプとお茶碗にお茶を注ぎながら霊夢が言うと、小首を傾げるようにして萃香がヒョイと瓢箪を引っ込める。
「この間、魔理沙に飲ませた時は平気だったぞ?」
「……あんたの前だったから、魔理沙が強がってただけよ。大体、その酒何度あんのよ」
「ん? 天狗が言うには58度とか言ってた」
「ウイスキーか! それをあんたはゴクゴク飲むんだ……」
そう言えば、少し前に魔理沙が嘆くようにして話していた事を思い出した。
萃香からもらったお酒はとてもおいしいけれど、とても強くて、とても良く回る。
彼女の言葉をそのまま借りたなら『あの日、小町が仕事サボってくれてて良かったぜ……』
「酒は私の燃料だからね! よーし、今日もいっぱい飲むぞ!」
「はいはい。萃香、お茶に桜花(おうか)の塩漬け入れる?」
「あ、2つ入れて」
桜花の塩漬け、これも実は私の楽しみの一つ。
博麗神社の境内には沢山の桜の木が植えられていて、春になると一面が淡い桜色で染められる。
その桜の木から壺いっぱいになる程度に花を拝借し、塩とお酒と神社に代々伝えられる紅麹を混ぜて漬け込んだ桜のお漬け物。
紅麹の若干の辛さと、山で採れる岩塩のしょっぱさと、お酒の甘み。
これをお茶に入れると、麹特有の甘い香りと桜の香りがふんわりと広がる。
「天子は3つでいいのよね?」
そう言いながらお茶碗を差し出してくれる霊夢。
「ありがとう」
受け取った純白のお茶碗の中に、緑色をした濃いめの日本茶と、その上に浮かぶ3つの桜花。
そっと茶碗に口を付けると、春が香った。
「これ飲んだら、縁側でわらび餅と……その、謎の果物食べましょ」
謎の果物……そう言えば、天界には霊夢が言うところの『謎の果物』が結構存在する。
実は名前が付けられていないだけだが、そもそも天界では食べ物に名前を付けるという習慣がない。
もし熱心な研究家が天界に来たなら、顕界にない数多くの『新種』を垂涎の思いで収集し、図鑑にでもまとめてくれるに違いない。
「あ、霊夢」
両手でお茶碗を抱えるようにして持つと、お茶にふーふーと息を吹きかけながらポツリと萃香。
「ん?」
ズズズとお茶をすすりながら、霊夢。
「これ飲んだら、久しぶりにアレやってよ。今日、ちょっとお酒の回りがあんま良くなくてさー」
お茶をすすっていた霊夢がピタリと動きを止め、ちょっとだけ戸惑ったような表情を浮かべる。
まるではにかむような口元、ほんの少しだけ頬が赤くなっているように見えるのは、もしかしたら縁側から差し込む日差しが見せた錯覚だったのかも知れない。
「あんたも物好きよね……まあ、いいけど」
「やった」
熱々のお茶を一口も飲む事ができなかった萃香は、お茶碗を置くと弾むようにして立ち上がる。
猫舌なのだろうか?
しつこいようだが、幻想郷でも古参の妖怪であるはずの萃香、でも私にはどうしても……どうしてもそうは見えない。
妖怪は姿だけで年齢を判断できないし、かくいう私も千年と少しも生きているのだから、彼女が長寿の大妖怪である事は何となく理解できる。
しかし、さっきから彼女の行動の1つ1つを見る限り、そこには大妖怪たる威厳や格式のような物は一切感じられない。
霊夢はお姉さんで、萃香はその妹……のように見えないわけでもない。
勢いよく立ち上がった萃香は、足早に霊夢の前に歩み寄ると、霊夢がお茶碗を座卓の上に置くのを確認して、その膝の上にちょこんと座る。
「あ、天子、ちょっと悪いんだけど座卓どかしてくれる? 萃香が蹴っちゃうから」
「え? あ、うん」
言われるがままに座卓を引きずって萃香と霊夢から遠ざける私。
一体何が始まるのだろうか……それに加えて、本当にしつこいようだが、私にはどうしても姉妹が仲むつまじく戯れているようにしか見えない。
だが、私はこうも思っていた。
ここは幻想郷の守護者である博麗の巫女が住む神社。
多くの異変を解決した霊夢の実力は、異変の原因ともなった私が一番良く知っている。
あれほどの通力と霊力を持ち、体術と霊力を織り交ぜた多彩な攻撃を繰り出す巫女と、その神社に暮らす鬼。
この神社の境内には簡単な結界が作られていて、並みの妖怪なら霊夢の許しでもないと入る事すらできないであろうはずなのに、萃香は平然としている。
普段の二人からは推測すらできない、何か特別な特訓が行われていても不思議ではない。
いや、むしろ、そのような特訓を行う必要性から、二人は居を同じくしているのではないか。
「……霊夢、これから……何が行われようとしているの……?」
ゴクリと喉の奥で生唾を飲み込みながら、私は少しだけ改まった面持ちで尋ねてみる。
「……あー、えーと…遊びよ、遊び」
「おう! あそびあそび!」
(萃香、あなた絶対に大妖怪じゃないでしょ!)
足をパタパタさせて何が楽しいのかニコニコ笑顔で答える萃香に、思わずツッコミを入れそうになるのを必死に堪える。
いや、これもあるいはカモフラージュに過ぎないのかも知れない。
まるで邪念のない振りをしておいて、熾烈を極める修行が始まる事への高揚感を抑え込もうとしているのかも知れない……!
……その可能性は限りなく低いけど。
「遊びって?」
訓練にせよ修行にせよ、二人が言う通り『遊び』だったとしても、何が行われるのか興味がある事に違いはない。
私の問いかけに、霊夢はほんのちょっとだけ恥ずかしそうな表情で、ポツリ。
「……こ、こちょこちょよ。あー……まあ、うん。萃香、始めるわよ?」
「おう!」
投稿日:2009/06/22(月) 05:47:06
おお!来た!天子来た!これで勝つる!!
これから天子がどう絡んでいくのか、これからの展開が楽しみですね~
Cさん乙です!
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