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2008/10/13(月)に投稿された記事
涼宮ハルヒの青空(1)
投稿日時:22:40:47|コメント:0件|》本文を開閉
ディレクトリ:(未完成)涼宮ハルヒ - *涼宮ハルヒの青空
ハルヒが幻想入りです。うわ、やっちゃった
現代入りも書いてオリマスが、それとは別に初のクロスオーバーです。うわ、やっちゃった
「ハルヒが幻想入り」ただ、ふつーに幻想卿に入るだけでは面白くない。
と、そーゆーなんちゅーかガッカリな事になっちょりますが、みんな聞いてくれ!
俺はこの物語を、くすぐりに繋げたいと思っている!
あ、今のところ大切です。テストに出ます。何のテストだ。俺検定だ!
意味が分からんけどね・・・
その夢がどれだけの意味を持つ事なのか、あるいは、それが、どれほどの意味を持っていたとしても、である。
ただし、その夢が俺――この文に記すであろう全員が総じてそう呼ぶので、利便上キョンと名乗るが――にとって、確かな現実であったという事。
そして、一般庶民よりもいくらかは非日常に、俺の意を一切介する事なく遭遇させられて来たであろう俺の言葉を持ってしても、それらの妙ちくりんな出来事の全てをひっくるめても、その出来事が、中学生のノートの落書きの如く奇想天外であったという事。
それだけは間違いない、断言できる。
事の始まりは……本来ならば我らが超団長様、涼宮ハルヒの身の上に起こってくれたのなら「ああ、またか」の一言で済まされるはずだったのであろう。
しかし、何を血迷ったのか、事もあろうに、ごく普通の県立高校に通う一般男子生徒である俺が、その不可思議かつ頭のネジが数本ほど吹き飛んでしまったのではないかと思われるような出来事に遭遇してしまったのだ。
今にして思えば、それも、あの赤い眼をしたドラキュラ少女が言う「運命」とか言うものなのだろうか。
確か、あの日は寝苦しい真夏に一歩足を踏み入れたばかりの、7月中旬頃だったと思う。
まだ夏休みには気が早い時期、ダラダラと流れる汗にムッと立て込める熱気が、こんな夢を見させたのではないだろうか。
夢の中で、俺は見ず知らずの草原に立っていた。
そう、今さらではあるが、あの時に引き返していれば良かったのだ。
それが何を思ったのか、そこが夢の中だともつゆ知らずに俺は、その草原をゆっくりと歩き始めてしまったのである。
見ず知らずの草原、それも深い霧が立ちこめていて明らかに普通ではない光景の中、トコトコと移動をすれば道に迷うことなど幼稚園児でも容易く想像できる。
それなのに、俺はその草原の中を背の丈ほどもある草を両手で分け入りながら、移動を始めてしまったのだ。
あの時、移動せずにじっとしていたら。
あんな身の丈ほどもある巨大な草原のど真ん中に放り出されて、動揺もしない夢の中の俺の精神状態を疑いたくなるが、ガサガサとその固くしなる草をかき分けかき分け、
どう考えても普通じゃない、きっと、あの時の俺はどうかしていたのだろう。
……あるいは。
これはあくまでも親しみを込めて言うわけだから、本当に神様がいたら気を悪くしないで頂きたいが、悪戯な神様が俺みたいなごく普通の男子生徒に白羽の矢をお立てになった、という事なのだろうか。
今さら、そんな事を考えても意味がない事である事は知っている。
悩んだところで仕方がない、ドラキュラ少女が言う「運命」とは便利な言葉だ。
はたまた、あの変な帽子を被ったケロケロ神様に言わせれば「あるべくしてあった」という事なのだろうか?
……あの森にお住まいの魔女っこキノコ博士であれば「なっちまったモンはしょうがない」なんて言いながら背中をバシバシと叩かれそうだな。
何にしても、俺は夢の中でその神社を見た。
古びた木目を露わにして、今時珍しい立派な藁葺き屋根には所々に苔や草なんかが頭を出している。
それは立派な神社で、辺り一面に霧が立ちこめていると言うのに何故かくっきりと浮かび上がって見えた。
神社の前に、誰かがいるのが見えた。
こんな霧が濃い、それも辺りは薄暗いというのに。
その人影は、神社の前に何か箒のような物を持って立っているように俺には見えた。
おかしな話しだ、夢であるからと言っても、霧の中でそんなに人影がはっきり見えるはずがないじゃないか。
……と、そんな理屈をごねた所で、理屈が通るような状況なんかじゃなかったんだろうと今は思う。
なにしろ、俺はハルヒが行きたがってた異世界って場所に足を踏み入れてしまっていたわけだからな。
その人影が俺を見る。
赤い……どう表現すれば良いのか分からないけど、こう赤いドレスみたいな服を着た黒い長髪の女性だった。
初めて見た時、霧の中にぼんやりと浮かぶようにして見えたから幽霊のようにも見えてドキリとしたが、彼女には足があった。
……まあ、幽霊に足がないという偏見は、今ではこれっぽっちも持ち合わせていないが、とにかく、俺はその時、彼女のぼやけるような輪郭をじっと見つめ続けていた。
透き通るような、例えるとしたら……
そう、中学生の修学旅行で行った九州のビードロ細工をカチンと軽くぶつけ合わせたような、そんな透き通った声だったと思う。
「外の人?」
「キョンくん!朝だよ!」
その声は重なって聞こえ、現実世界にだらしなく涎を垂らしてベッドで仰向けに寝そべっていた俺は、背中にボフンと衝撃を受けて目が醒めた。
瞼の裏側にうっすらと輪郭を残した女の人は、うっすらと目覚めて行く途中、俺を見つめながら「え……」と小さく言葉を吹き出したのが印象的で。
ボフンボフンと俺の背中の上で飛び跳ねる妹の姿を寝ぼけ眼で見た時は、まだ夢と現実の境目が分からず、そのギャップに心底驚かされた。
なぜなら、夢ってものは目が醒めれば、ほとんどが消えてなくなってしまう物だろう?
フロイト博士の言葉だったかな、確か「夢はただ受け取るだけのもの」だったっけ。
ユング博士に言わせれば、夢は意味のあるものだろうが、まだ目の奥に驚きの表情を隠さない女の人の姿がはっきりと映っていた。
きっとオカルト研究会のヤツに相談なんてしたら「それは霊的な夢、つまり霊夢だよ」なんて言われそうだが、まさにその通りだなんて事を俺はその時は考えもしなかった。
何しろ俺は、霊的な夢なんてものは疎か幽霊なんてものを、その時はまだ信じていなかったんだからな。