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2010/02/06(土)に投稿された記事
わんわん犬のギョギョっと川魚
そんなワケで椛です。
テストです。
一発ネタです。一太郎2010の校正テスト、だから続きはアリマッセーン。
んなことより、めっちゃ雪降ってるんですけど・・・
ちなみに現在、累計30センチぐらい。
まー1m行かなければ大丈夫なんだけど、チャリ通勤の俺は一体どうすれば・・・
足の裏!
わんわん!
本文章は「上海アリス幻樂団様」により制作されたシューティングゲーム「東方Project」の二次創作物です。
逃げようにも、ここは水の中、陸の上ならば自慢の足で振り切れたかも知れないが、ここでは彼女の俊足も役には立ちそうにない。
強い日差しに照りつけられて、ただ立っているだけでもダラダラと汗が流れ出して来る夏の昼下がり。
今日も彼女は河童との大将棋を楽しんで、午後の見張りを始めたはいいが、こう暑い毎日が続くとかなわない。
着込んでいる天狗装束が汗に湿ってペタペタと貼り付く感覚は、決して肌に心地よいものではない。
誰も見ていないことを何度も確認した上で、彼女は、森に少し入った所にある小さな泉の畔で装束を脱ぎ捨てると、サラシとフンドシ姿のまま、透き通った水面にザブンとしぶきを上げた。
暑さに火照った体に、泉に満たされた冷たい清水が心地よい。
しばらく、ここで体を冷やしてから、また見張りを再開しよう。
そう思いつつ、浅瀬に腰掛けるのは丁度良い小岩を見つけた椛は、そこに腰を落ち着けて。
カンカンと照りつける太陽を遮ってくれる、水面の冷たい感覚に、いつしかウトウトと居眠りを始めてしまった。
(あの時、居眠りをしなければ……)
そう思いつつ、両足に絡み付いているヌルヌルとした水草の様なものから足を引き抜こうとしてみるが、無駄な足掻きにしかならない。
手を水中に突っ込んで、足から水草を取り払おうともしたが、かき分けども、足を持ち上げども、やはり結果は同じこと。
水面に足を太股の半分まで浸からせて、椛は立ち上がることも、そこから立ち去ることも出来なくなってしまっていた。
さらに悪いことに、先ほどから彼女の周囲に群がり続けている気配は、今もその数を増やし続けている。
水中の中を無数に、まるで透明な魚の様な物体が椛との距離を狭め続けている。
不気味な気配から遠ざかろうにも足を動かすことが出来ない。
足を拘束されていては、上空に飛び立つことも出来ない。
清水に触れて火照りは解けたはずの額から、冷や汗が滲み出して来る。
水面がまるで踊っている様だった。
無数に数を増し続ける透き通った魚たちが水中でビチャビチャと蠢く度に、水面がザワザワとざわめく。
その数は数百は下らないだろう。
鋭い牙もなく、鋭利な背びれもない、端から見れば気色が悪いだけの魚たち。
それらが果たして魚なのかどうかすら怪しいが、無数の『それら』は、胸部と腰回りだけを隠すだけの不十分な服装の椛を虎視眈々と狙い続けている。
獲物を狙う猛獣にしては非力で、無害な小魚とは異なり、明らかな『捕食者』の鋭い視線をぎらつかせて。
「……くる!」
椛は身構えた。
水面が一斉に静まり返り、それは魚たちが統制を持った指揮に従う程度の知識を有していることを物語っている。
同時に、捕食者は獲物に襲いかかる時、まるで自身の気配を押し殺す様に静寂を身にまとうことを彼女は知っていた。
水面が再び波打つ。
水底を歪ませる捕食者の大群が、一斉に椛めがけて一直線に襲いかかって来た。
「…く、くるな!」
威勢を振るってみても、ただの悪足掻きにしかならない。
その得体の知れない生物たちによって、自分がどうされてしまうのか、ぞっとする考えばかりが脳裏を交錯する。
その隠し持っている牙で、この身を食い破られるのか。
または、強い溶解液で体をじわじわと溶かされてしまうのか。
彼女は後悔した。
いくら暑くても、仕事をさぼって、こんな泉に来るべきではなかった。
「こ、こここ来ないで!」
威勢の鎧も一瞬ではぎ取られてしまう。
必死に足をばたつかせても、絡み付いた水草を引きちぎることは出来ない。
立ち上がろうにもふくらはぎまで拘束されて立ち上がることも出来ず……
ぎゅっと目をつぶった椛は、思い出していた。
そう言えば、ずっと白狼天狗として生きてきたけれど、案外楽しかった毎日のことを。
下っ端とからかわれながら、烏天狗たちは可愛がってくれた。
大天狗たちも、酒をこっそりお裾分けしてくれた。
彼女を特に目をかけてくれた射命丸天狗と、一緒に新聞の取材へ行くのも面白かった。
走馬燈の様な記憶の断片が椛の脳裏を駆け巡る。
「……射命丸さま」
一番信頼していた天狗の名が、口を突いて出た。
人使いが荒くて、何を考えているのか分からない、でも。
あの人といると面白くて、あの人が持ってくる様々な厄介ごとに巻き込まれるのが楽しかった。
「……た、助けてぇ…!」
取り留めのない思考が椛の脳裏を埋め尽くしていく。
ここは妖怪の山から少し離れすぎ、耳が良い彼女の仲間たちであっても、その声に気づくことはないだろう。
しかし、水面を震わせる様にして、今まさに彼女の足下に到達しようとしている捕食者を前に、叫ばずにはいられなかった。
「誰か! 射命丸さま! た、助けて!!」
ありったけの声を張り上げる彼女をあざ笑う様に『それら』は、いよいよ椛の足下まで達し。
彼女は顔を背けて堅く目をつぶった。
果たして、どんな苦痛が訪れるのか。
どんな方法で自分は食い散らかされていくのか。
強く閉じられた瞼から恐怖の涙が滲んでいた。
が、直後、椛は想像外の感触に大きく瞳を見開くことになる。
「へひゃぁ!?」
突然に訪れた感覚。
思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
それは彼女が覚悟していた『痛み』でも『苦しみ』でもなく。
それらとは全く異質で、どちらかと言えば、それらとは正反対の甘い感覚。
「な、なななな何!? ふえぇ!?」
まるで両足を無数の指で摘まれている様だ。
慌てて両足を水面に引き上げようとしても、相変わらずびくともしない。
いや、多少は足の位置を変えたり、指先を動かすことは出来る。
しかし、なまじ少しでも動かすことが出来るのだから、もどかしい。
懸命に立ち上がってみることも試みたが、結果は先ほどと同じだった。
ヌルヌルとした水草は、椛の両足を絡め取り、彼女を解放してくれそうにない。
一体何が自分の両足に起こっているのか。
この不思議で、じっとしていられない刺激の正体は一体何なのか。
それを確かめたくて見下ろすと、彼女の足を絡め取っている水草に、人の小指ほどの透明な魚たちがワサワサと群がって来ているのが見えた。
水草に阻まれて内部の様子を伺い知ることは出来ないが、彼女は悟った。
魚たちが足の皮膚をついばんでいるのだ。
「あ、あっ……足はぁ!?」
彼女と取り巻いている魚たちが、次々に水草の中へと消えていく。
それに比例して、椛の足を無数の刺激が覆い尽くしていく。
まるで、小さな舌でペロペロと舐め回される様な感触。
じっとなどしていられるはずもなく、無駄と知りながらも水草を手でかき分けたり、何度も何度も岩か腰を持ち上げようとする。
しかし、彼女の努力の甲斐なく、足に加えられる刺激は益々激しくなり、その強まった感触は明確な『ある衝動』を引き起こしていく。
「うひぃ!? ちょっ……! や、やめ……」
敏感な足の裏を、刺激に慣れていない足の甲を、魚たちは絶え間なく突っつき、ついばみ、椛を焦らせる。
逃げることも出来ず、両足は満足に動かすことも出来ない。
水草をどれだけ引き剥がそうとしても無駄と分かると、いよいよ選択肢は狭められていく。
彼女に出来ることと言えば……
1.何とか立ち上がる努力を続ける
2.自由な両手で髪の毛も掻きむしり堪らない感覚に抵抗する
3.身を屈めて『ある衝動』を必死に抑え込む
「ふぅっ! あ、足ぃ……私、足よわ…ひぃっ!?」
すでに立ち上がることは不可能であることは分かっていた。
しかし、無駄であってもじっとしているよりは、幾分かはマシである。
腰を岩から引き離そうとするが、少しだけ浮かした腰も、膝を真っ直ぐに出来ないのだから、すぐに引き戻される。
「ぎぃ……! もうちょっ……ひひひ!? うひひ!?」
一生懸命の彼女をあざ笑うかの様に『その衝動』が彼女を苦しめる。
それは、足に無数の刺激を加えられることによって引き起こされる『笑い』。
ここは山の中、この泉の近くには誰もいない。
しかし、だからと言って、ケタケタと笑い声を上げることは、はばかられる。
白狼……木の葉天狗である彼女も、天狗の誇りを心に宿している。
山の主として、古くから人間たちに畏れられた一族。
その誇りが、今にも吹き出しそうな『笑い』を押し殺そうとさせる。
だが、それは彼女に天狗としての気高き精神を保たせながら、両足を翻弄される感触をまともに蓄積させていた。
「…あ、足っ……はぁ! 足弱いっ……!」
夏の日差しによるものではない脂汗がダラダラと流れ出す。
自由な両手で純白の髪の毛を掴み、掻きむしる。
流れ出す涙を手の甲で拭き取る仕草をするが、汗と涙で塗れた手の甲には火傷しそうなほどに熱くなった皮膚の感触に、彼女も感づいていた。
もう自分は限界に近づいている。
両足を執拗に責められ、もう『笑い』を抑えきれなくなって来ている。
「あぁ……!! ぎぃぃぃっ! 無理ぃぃ!」
滲み出す様な言葉。
足の裏を、足の甲を、くるぶしを、無数の魚たちが、ついばんでいる。
その口先が、彼女の薄く柔らかい皮膚を摘み、その地獄から両足を逃がすことすら出来ない。
「あっ、あっ、あっ……や、やめて! もう…くくく……もうぅ!」
青ざめた顔をして、声を張り上げ水中の無慈悲な捕食者に懇願する。
それが無駄かどうかは関係がない。
それ以外に、彼女には自分の意志を伝える手段がなかったのだ。
「やめてぇぇぇ!! も、もう……もう本当に……!!」
投稿日:2010/02/06(土) 23:10:09
とってもよかったです~、これからもがんばってください~
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