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2010/08/10(火)に投稿された記事
さきゅさんへのお礼小説 みくみくパニック
眠いけれど、私のハートは熱くてムンムンしているの。そこ!暑苦しいとか言わない!
そーいや、どーでもいいけど、居酒屋行くとボトルキープってあるじゃないですか。
俺はボトルキープをしません。
しないと言うか出来ない、キープしたボトルを飲み干してしまうから。
だってー美味しいんだもーん
ちなみに俺の鬼門はウイスキーとビールです、絶対飲み過ぎてしまう。
近くの権堂へ行くと鏡月がスタンダード、だが男は黙って乙類である。
みんなも飲もう乙類焼酎!
甲類もおいしいよ!
エロ小説です。
さきゅさんからもらった暑中見舞いへのお礼小説!
・・・掲載を忘れていたわけじゃないぞ!送ったことに満足して、ちょっと失念していただけだッッ!
さきゅさん、かわいいイラストの暑中見舞いありがとねー
初音ミク
みくみくパニック!
真面目なことを書くと、ほんわかミクが、徐々に真顔になっていく様子が表現できていればいいなぁ
足の裏とわっきわきでみっくみく
ボーカロイドという使命を受けて、今日も私はマスターのパソコンの中で歌を歌います。
少し前まではパソコンの中だけしか知らなかった私ですが、最近はリアルワールドでも歌わせてもらったり、妹たちを作ってもらったりと、なんだか至れり尽くせり。
お友達のプログラムの皆さんは、私が一大ムーブメントを起こしていると言うけれど、あまり実感は湧きません。
だって、私は歌を歌うだけ、それだけしか出来ないのですから。
このパソコンは、先日マスターが新たに購入されたもの。
『こああいせぶん』という、なんだかスゴイものの上で、私たちは動けるみたいですが、私には良く分かりません。
かくして、6ギガもある大きなメモリの上で動けるようになった私たち、前のパソコンでは一瞬だけ意識が飛んでしまうこともあったけれど、今回のパソコンは快適そのもの。
マスターには感謝のし切りです。
時々、マイピクチャーに気づかない振りをしたくなる怪しげなフォルダを作ったとしても。
お気に入りの中の『ちち』フォルダだけが、日に日に巨大化して行ったとしても。
全力投球クリティカルなタイトルのゲームをインストールしたとしても。
私のマスターは、ちょっと少しだけ微妙に変態チックなところもあるけれど、優しくて、とてもとても良い人なんです。
……きっと、昨日までなら、こんな風に新環境を満喫できたのかも知れません。
私たちが最初に、この異常に気づいたのはnotepad.exeさんの異変でした。
彼はクールで寡黙な人。
多機能ではないけれど、必要最低限のコンパクトな仕上がりは、私たちプログラムにとっては、とても魅力的。
あまり気づかれないけれど、UTF-8にも、いつの間にか対応している抜け目のなさは、本当にさすがです。
そんな、普段はフリーズなど滅多にしない彼が、起動した途端にフリーズしてしまうのです。
もしかしたらレジストリがおかしいのかもと、regedit.exeさんに声をかけましたが、まったく起きる様子はありません。
regedit.exeさんは、とても恥ずかしがり屋さん。
あまり見かけることはないけれど、マスターが真剣になっている時は、大体は彼が起動しています。
彼はシャイだけど、デキる男なんです。
ところで、マスターは、一体何をやっているのでしょう?
それを、マスターに尋ねても決して教えてはくれません。
やがて、msconfig.exeさんも、taskmgr.exeさんも返事をしなくなり……
ついにはexplorer.exeさんも、ぐったりとしてしまって。
残されたのは、OS以外にインストールされた私だけで、それが、ものすごく心細くてなりません。
一体何が起きているのか何も分からず、ただ異常さが混迷を深めていくのを、私は見守ることしか出来ませんでした。
「わーむ?」
たった一人で広いメモリに取り残された私は、あまりの不安と恐怖に、堪らずメッセンジャーさんを起動してしまいました。
マスターの知り合いの方がインストールしている、私の妹、鏡音リンとお話をしています。
彼女は見た目は私より小さいのに、デキる女の子。
私はパソコンのことなんてカラッキシなのに、彼女はどんなことだって知っています。
今も、彼女は大きなブラウザウインドウによじのぼり、スクロールバーに乗っかって、ツイツイーっとページをスクロールしているところ。
「それ、おねえちゃんのトコのマシン、ワームに感染したんだよ、きっと」
「あ、うん、えっと、わーむ?」
リンはピョンとスクロールバーから飛び降りると、ウインドウのある部分を指さします。
赤い文字で書かれているのは、よく分からない言葉の羅列。
「これだよ、これ。 notepad.exeを改ざんして自己複製するワームってヤツ」
「え? あ、う、うん。 じこふくせーわーむ?」
何だか良く分からないけど、大変なことになっているみたい。
リンの話しは難しくって私には半分も分からないけれど、言いたいことはちょびっとだけ分かります。
私がいるパソコンには、その『じこふくせーわーむ』と言うものがいる、と言うこと。
それが、悪いことをして、色んなアプリケーションさんを停止させていること。
なんだか、SF映画みたいな出来事が起こっているみたい。
「うーん、その『じこふすけーわーむ』って言う悪い人をやっつければいいのかなぁ」
「……おねえちゃん、ちゃんと分かってる?」
「あ、うん、多分だいじょうぶ。 その『じこふすきーわーむ』ってプログラムの人をやっつければいいんだよね、やってみるよ。 ありがとね」
やっぱり、リンはすごい子です。
彼女の言っていることは、なんだか宇宙人の言葉みたいでチンプンカンプンだけど。
でも、何となく糸口になりそうなヒントは手に入れたような気がします。
手を振ってお礼を言いながらメッセンジャーさんを閉じる私。
リンが目をまん丸にして
「ちがっ! ちょ―――」
と、何かを言いかけたのが気になったけれど、この件が終わったら私から連絡すればいいですよね。
リンから聞いた話しでは、このパソコンにはジホクスキーさんと言うプログラムが入ってきていて、何だかイタズラをしているみたい。
今、このパソコンで自由に動けるのは、私だけ。
いつもお世話になっている他のプログラムの皆さんへ、今こそ恩返しをしなくちゃいけないのです!
とは言え、私はボーカロイド、強制的に終わらせようとすると顔を真っ赤にして怒るcsrss.exeさんや、winlogon.exeさんのような防御策があるわけでもなく、以前のパソコンにインストールされていた、ウイルス対策ソフトの怖い人たちのように、特別な武器があるわけでもありません。
あるのは、このマイクと歌声だけ。
正直、かなり不安ですが、きっと大丈夫だと自分に言い聞かせます。
怖い怖いと、色んなプログラムの皆さんに言われていたアンチウイルスさんやウイルスバスターさんも、ぜんぜん怖くなかったですし、今回だって大丈夫。
念のため手にした長ネギはマスターが持たせてくれた物、一体何のために使うのかは良く分かりませんが、ひのきのぼうみたいで、ちょっぴり心強いです。
テクテクと歩き出した私ですが、ふとしてデスクトップの真ん中で立ち止まります。
「……ジホクスキーさんって、どこに行けば会えるんだろう?」
ここは広大なパソコンの中、限りはあるとは言え一昼夜歩き回ってもジホクスキーさんを見つけるのは難しいでしょう。
eventvwr.mscさんに聞いてみる?
イベントビューアさんは、パソコンの中のことなら大体は知っている物知りさん。
しかし、彼に会うためには、管理ツールフォルダに行かなくてはいけません。
私はデスクトップの左下にある、スタートボタンの前まで歩いていくと、ちょっと助走をつけてから軽くジャンプ。
ベシッとスタートボタンに乗っかります。
「……」
やはり、explorer.exeさんがグッタリとしていては、スタートボタンも反応してくれないようです。
ボタンの上で何度か飛び跳ねてみたものの、やっぱり無反応。
ならばとデスクトップの左上に移動する私、そこにはマイコンピュータさんが鎮座しています。
マイコンピュータさんは仕事に生きる男。
マスターの要求にもすぐに反応し、彼から起動できるコンピュータの管理ウインドウは、システムのほぼすべてを操作できるのです。
確か、ここからもイベントビューアさんにアクセスできたはず。
私はしゃがみこむと、右手でベシンッとマイコンピュータさんを叩きます。
何だか、ちょっと悪いことをしている気分……
「……」
でも、やっぱり無反応。
ちょっと叩き方が弱かったのでしょうか。
何度かベシベシッと彼を叩いてみても、相変わらずの無反応。
私は立ち上がり、右足を持ち上げてギュッと目をつぶります。
ごめんなさい、マイコンピュータさん!
べちゃっ
少し強めにキックを繰り出した私、しかし、その足に感じる、ものすごく気持ち悪い感触。
びっくりして目を開き、恐る恐る足元を見ると、そこには、おぞましい光景が広がっていたのです。
マイコンピュータさんの所々から染み出した黄色いドロドロとした液体。
それは、まるでマイコンピュータさんを聞いたこともないようなエキスの中に数週間漬け込んで、じっくり熟成させたような。
いいえ、漬け込んでいたことすら忘れて、1年後にハッとして取り出したら、こんなになってました、と言うような有様。
「ヒイィィィ!!」
マイコンピュータさんには失礼とは思いながら、悲鳴を上げてしまいます。
まさか、これがジコフスキーさん?
恐る恐る足を持ち上げると、ねちょぐちょっとした、背筋がゾゾッとする音と共に、黄色い糸を引くなぞの液体。
「ジ、ジコフスキーさんですか?」
尋ねてみても、やっぱり無反応……ではありませんでした。
その黄色い液体は次々とマイコンピュータさんから溢れ出し、さらに、それに続くようにして小さな物が吹き上がるようにして姿を現したのです。
びっくりして声を上げるのも忘れ、ペタンと腰を落としてしまう私。
一体何が吹き出してきたのかと、その小さい群集に目を凝らします。
それは、5つの指のような物を持ち、何やら赤色と黒色がまだらになったような色合い。
表面には細かなデコボコがいっぱい、それがウネウネとうごめくようにして……
「ぎゃああああああ!!」
そのグロテスクな生き物の姿を知ってしまった私は、絶叫してしまいます。
ものすごく気持ち悪い!
それはヒトデにも似ているのですが、大きさは私の親指先ぐらい。
それは5本の指のような物をウネウネさせる様子は、もはやパニックホラーに出てくる訳の分からない生き物さながらです。
しかも、パニックホラーでは、その生き物たちは画面の向こう側にいるだけですが、今はその生物は、私の足元にいるのです。
それも、うじゃうじゃと。
こんな生き物たちが私に近づいてきたら……って、近づいてきた!!
ネトネトの黄色い粘液の中でウネウネと動くヒトデのような生き物たち、それがうじゃうじゃと私に近づいてきたのです。
「いやああああ!!」
立ち上がろうとしても足がもつれて立ち上がれず這って逃げようとしても、ツルツルとしたデスクトップの表面に手足がすべって上手く動けません。
振り返ると、そこには、この世のものとは思えない光景が広がっていました……
マイコンピュータさんからドロドロと湧き上がる黄色い粘液は、そこに池を作っています。
その中には無数のヒトデたち、それが一列になって、私にめがけてウネウネ近づいてきていたのです。
それは、あまりにも気色が悪い光景すぎて、私はめまいすら覚えました。
これは、もはやホラーどころではありません。
繁殖系の恐怖を与えるパンデミック映画、それすら生ぬるいぐらいの緊急事態。
「いやあああ! 足にのぼってきたぁぁ!!」
ついに、そのウネウネが私のブーツへと這い上がってきます。
足を思いっきりバタバタさせても、ヒトデは意にも介さず、ウネウネとブーツの上をうごめき、もう私はパニック状態。
動きがヤバすぎです、こんな生き物が存在して良いのかと思うほどの気持ち悪さ。
それは、いて欲しくない生物ランキングトップ3には確実に入るほど。
このような生命体の存在を、私は断固として許しません!
「ひぎゃああああああ!! ブーツの中に入ってきたぁぁぁ!! ふえええええん!!」
その、いて欲しくないヒトデは、恐ろしいことに、私のブーツの口からウネウネと中に入り込んできます。
それは、もはや地獄絵図。
今日のブーツはいつものロングではなくて、お部屋着用のシュートタイプ。
しかも、お出かけの時には靴下を履いている私ですが、今はブーツの中は素足です。
こんな生き物が自分の肌に触れていること自体が、もはやダメです、ありえない。
しかし、私のそんな拒絶の意思など、ヒトデたちには関係がないのでしょう。
次々とブーツの中へ侵入してくるウネウネとした感触、その5本の触手は粘液でベトベトしていて、その得体の知れない液体が肌に付着する不快感は、想像を絶していました。
ブーツの中は生き物でパンパン、それなのに、さらに奥へと入り込んでくるウネウネたち。
私はもうパニックです、涙が次々と流れ出して、両足を壮絶な勢いで振り回しても、相手はブーツの中。
「いやあああああああ!!! 本当にまじめにいやぁぁ! うわあぁぁぁん!!」
ついにブーツの奥底、足の指にまで入り込んできたヒトデたち、その数は一匹や二匹どころではありません。
慌ててブーツを脱ごうにも、ギッシリとブーツに入り込んだヒトデの群で、足を抜くことなど出来る状態にはありませんでした。
ギッシリ押し込まれたヒトデたち、しかし、痛みはありません。
唯一の幸いは、その生物たちがまるでマシュマロのように柔らかいこと。
しかし、その柔らかさは粘液を伴って、足の指の間にブチューっと広がり、それは、もう言葉にできないほどの気持ち悪さ。
その柔らかな感触は足の裏へも広がって、そこでウネウネとした触手がうごめいて……
ぴくっ
私の体が反応します、それは、気持ち悪さとは異なる、新たな感覚。
「ひいいぃ!! え、う、うそ! そ、そんな! ブ、ブーツ脱げないのに!!」
足の指の間から入り込んだヒトデが一匹、また一匹と足の裏へ強引に押し込まれていきます。
そこでグニュグニュと動き出す触手たち、その動きは、足の裏全体へと広がって……
「そ、そんな! うそ…ふひゅ……」
足の裏に入り込んだ触手が動くと、私は思わず笑いそうになります。
足の裏、そこをこんな風に刺激されたら……
「ひひっ! ブーツ脱げないのに!! や、やめ! ふふふふふふふ!!」
足の裏はとても敏感な場所、指で軽くなぞられただけでも、相当くすぐったいのに。
そこを、こんなニュルニュルしたものが這い回れば、当然くすぐったくて仕方がなくなってしまいます。
さらに、ヒトデたちがギッシリ詰め込まれたことによって、ブーツを脱ぐことが出来ない私は、この足の裏のくすぐったさから逃れられないことを意味していました。
「うそぉぉ!! や、や! やひゃっ! いやぁ…ひゃはっ!」
ぐちゅぐちゅと足の裏に入り込んでくるヒトデたち、もう足の裏にはビッシリと、この生物たちが貼り付いていることでしょう。
それが、一斉ににウネウネと激しく動き出した時、私は思わずデスクトップに横たわってしまいました。
「はあぁぁぁ!! あはははははは!! あはははははははは!! ぐにゅぐにゅはぁはははははははは!!」
それは、文字通り地獄のくすぐったさです。
足の裏は特にくすぐりに弱い場所、5本の指でくすぐられても気が狂いそうになってしまうのに、無数の触手にうごめかれれば我慢なんて出来る方がおかしいです。
「あははははははは!! 苦しいですぅぅぅ!! あーっははははは! あはははははははは!!」
あまりにくすぐった過ぎです。
体を起こしてブーツに手をかけ、何とかして足を引き抜こうとしますが、パンパンに膨らんで、足にピッタリとくっついたブーツはビクともしません。
ダンダン!と足を叩きつけても、グチャッグチャッと気持ちの悪い音がするだけ。
さらに、その振動は私にとって不利に働いてしまいます。
この振動によって足の裏にはさらに大量のヒトデたちが流れ込み、さらに強くなったくすぐったさ。
私は、再び倒れこんで身をよじらせ転げ回り、自分の行動を後悔することしか出来ませんでした。
「あははははははは!! ブーツ脱がせてぇぇぇぇへへへ!! お願いですからぁぁあはははははははははは!!!」
くすぐったくて、もうどうしようもなくて、頭をかきむしり、顔を手で撫で回し、くすぐったさから何とかして逃れようとしてみました。
しかし、そんな行動をしてみたところで、くすぐったさは和らいでなどくれません。
無意味に腹筋のような動きをしてみたり、刺激が強くなることを知っていても、ブーツを履いた両足をデスクトップ上に叩きつけたり。
頭をかきむしり、気づけば髪の毛はボサボサ、手の平は涙なのかよだれなのかも分からないもので濡れて、そんなことにすら気を配る余裕もなくて。
這いずり回り、転げ回り、ほっぺたをデスクトップ表面にくっつけてみたり。
色んなことをやってみるのに、それでも足の裏がくすぐったくて、本当に気が狂ってしまいそうです。
「あはははははははは!! くすぐったいぃぃ!! くすぐったいですぅぅぅ!! あははははははは!!」
もはや気持ち悪いなどと言う思考は、どっかに行ってしまいました。
足の裏に広がる無数のくすぐったさから逃げたい、何とかしてブーツを脱ぎたい。
そればかりが頭の中でぐるぐる渦巻いています。
「あーっははははははは!! ブーツ脱がしてくださあぁぁいいひひひ!! 誰かあぁぁぁ!! あはははははははは!!」
再び身を起こして、無駄と分かっていても手がブーツを求めてしまいます。
体は比較的柔らかい私、もうくすぐったくていてもたってもいられず、床に放り出された両足に腕を伸ばします。
前屈のような姿勢で、強引にブーツの隙間へ手を突っ込むと、ブニュブニュとしたヒトデたちの感触と、ぬるぬるになった自分の足の感触。
ヒトデたちを一匹でもかき出そうと、ギュッと握ったこぶし。
手の中にはヒトデたちの感触、指の間からズリュッとはみ出す感触が気持ち悪いですが、そんなことを言ってる場合じゃないです。
足の裏がくすぐったいんです。
本当に、本当に、真顔になってしまうぐらい、ものすごくくすぐったいんです!
「あははははははは!! 抜けなくなっちゃいましたぁあははははははははははは!!」
ブーツの中で手を握った私、引き出そうとして、その手をブーツの中から引き抜けないことに気づきます。
私は真剣に焦りました。
この姿勢では、くすぐったさを和らげるために転がり回ることも、足をバタバタさせることも出来ないのです。
それは、もう、私にとっては本当に大変なことなんです。
だって、こんなに足の裏がくすぐったくて、どうすることもできないのに、何もできないなんて!
ところが、私はこの姿勢が、さらに大きな問題をはらんでいたことを理解してしまいました。
足元には今も次々とヒトデたちが這い上がってきて、ブーツの中に入り込もうとしています。
しかし、やっぱりそれにも限界があって、はみ出したヒトデたちは物欲しそうにブーツの上を這い回っていました。
そこに、私が手を伸ばしたのですから、当然のようにヒトデたちは私の腕にも這い上がってきたのです。
不測の事態でした、足の裏があまりにもくすぐった過ぎて、私は忘れてしまっていたのです。
私の腕は黒い袖で隠されていますが、ちょうど二の腕から肩にかけては素肌です。
ヒトデたちは黒い袖の内側や、その上にもよじ登って、本当に気持ち悪いウネウネとした動きで、這い上がってきています。
それを見た時、私は理解してしまいました。
「あはははははははは!! 足の裏だけで許してくださあぁぁいぃぃひーっひひひ!! あはははははははは!!」
腕をニュルニュルされるのも当然くすぐったくて、でも我慢できないわけではありません。
でも、私には絶対に間違いなくコチョコチョされて我慢できない場所があります。
それは、腋の下です。
誰でもくすぐったい場所、くすぐったい場所の代表選手、ここをくすぐられれば誰でも笑ってしまう場所。
ヒトデたちは、その場所へ確実に這い上がってきているのです。
「お、お願いですぅぅぅ!! あははははははははは!!! 腋はやめてくださいぃぃっくっくっくっくっくっ!」
しかし、足の裏の時と同様に、ヒトデたちには慈悲の心はないようです。
袖を通り抜けて二の腕に達したヒトデの群、もう私はここからくすぐったくて我慢できません。
足の裏とはまったく異なるくすぐったさがジンワリと広がって、身悶えたくても、体は両手はブーツの中。
言うなれば足の裏は研ぎ澄まされたくすぐったさに対して、腋の下のくすぐったさは、いぶし銀なのに少しだけ甘い感じのくすぐったさ。
どちらにしても、両方とも我慢なんて出来るはずがありません。
「いぃやぁぁぁぁあはははははははは!!! くすぐったいですぅぅぅ!!! あははははははは!!!」
二の腕から、ヒトデたちは私の腋の下へと入り込んできます。
小さな生物たちが、その細い触手で腋の下を撫で回す刺激は、常軌を逸したくすぐったさ。
しかも腋の下は半開きで、奥の方は腕の付け根の皮膚と皮膚が軽く重なっている状態になっています。
そこは、本当にくすぐったい部分です。
片方の皮膚に触れられただけでも我慢できないのに、こんな場所にヒトデが入り込んできたら……
こんな服装をしているのですから、私がどれほど強靭な腋の下を持っているのだろうと思う方もいらっしゃるかも知れませんが、ぜんぜん弱いです。
息をかけられただけでも、すぐに笑います。
そんな場所の、それも一番奥にヒトデが入り込んできたら……
「あっはははははははは! あぎゃああははははははははははははは!! きつぅぅぅいいひひひひひひひひひひ!!!」
腋の下の一番浅い部分にヒトデが貼り付くと、この時点で私は10回ぐらい死にました。
くすぐったすぎです!
こんなの我慢できないどころか、我慢をしたくなくなります!
なんで腋の下ってこんなにくすぐったい場所なんですか!
無意味な怒りが込み上げて来ますが、それもすぐに笑いにかき消されてしまいました。
「ひゃーっはっはっはっはっはっはっ!! いっぱい入ってきましたぁぁぁ!! あははははははははは!! あーっはははははははは!!」
腋の下に次々とヒトデがよじ登ってきます。
こんなに小さく細い触手が、柔らかな腋の下の皮膚を撫で回すのですから、本当にくすぐったいんです。
しかも、その表面は粘液でヌルヌル、まるで細い舌で舐められているみたいな感覚は、もはや『くすぐったい』という言語をも超越し、未知の領域に達してしまっていました。
「ぎゃはははははははははは!! 苦しいぃぃですぅぅふふふ! たすれてぇぇぇひゃひゃひゃ!!」
腋の下に入り込んでくるヒトデは、どんどん数を増しています。
どうやら、その内の一部が、私を本格的に変にするために行動を始めたみたいです。
腕の付け根は本当に敏感な部分ですから、新しい場所がくすぐったくなったら分かりたくもないのに、分かってしまうんです。
「ひぃいははははは!! はひゃぁぁあははははははははは!! 奥に入ってきましたぁぁぁ!!! くぅっキツいぃぃきししししししっ!!!」
何だか先ほどから自分の腋の下の実況をしているみたいで、ちょっと可笑しい。
でも、私は真剣です、真面目に腋の下がくすぐったくて、こんな言葉でも口にしていないと狂ってしまうのです。
「ひぃぃぁあははははははははは!!! ぬるぬるがぁぁヒぃギぃひっひっひっひっひっ! ひーっひっひっひっひっひっ!!」
半開きの腋の下、その一番奥、私の一番の弱点です。
そこにヌルンとした感触、そして皮膚と皮膚の間に生まれた、絶対に我慢できないくすぐったさ。
「はあぁひひひひひひひ!! あっひゃっはははははははは!! わ、ワキ閉じさせてぇぇぇひひひ!! ひゃあははははははははは!!」
その一番くすぐったい奥に、次々にヒトデが到達します。
重なり合った皮膚をめくり上げるようにして、触手が入り込んで、その触手を縦横無尽に動かせまくるのですから、それは本当に本当にくすぐったくて、くすぐったくて。
しかも、そのヒトデたちはヌルヌルです、そんなモノが皮膚の間で動き回れば、それはくすぐったいに決まっているのです。
「ひゃははははは! あは! あーっはっはっはっはっはっ! くすぐったいですぅぅっうっひゃっひゃっひゃっ!!」
きっと、無数の触手が腋の下の中を満たし、這い回っているのでしょう。
皮膚と皮膚の間に入り込んだヒトデは、その中で触手を色んな場所に当ててきます。
ヌルヌルした粘液を擦り付けるみたいにして、腋の下の中を自由気ままに動き回るヒトデたち。
腋の下のどこをくすぐられているのか、もうぜんぜん分かりません。
腋の下全体が笑っているみたいで、本当にくすぐったくて、私は真剣にくすぐったがってしまっていました。
あまりにくすぐった過ぎて、腋の下もくすぐったいし、足の裏もくすぐったいし、そこから逃げることもできないし……
「あははははははははは!! あはぁぁあはははははははははは! あははははははははははは!!」
腋の下と、足の裏、二つの場所へのくすぐりが、私をおかしくさせようとしています。
あんまりにも、あんまりにもくすぐったくて、笑いがもう止まりません。
もし、誰かに『どうして笑っているのですか?』と尋ねられたら、私はグーでパンチです。
見て分かるとおりです、私は足の裏と腋の下の、くすぐったくて絶対にヤバイ場所をくすぐられて、それで笑っているのです、と。
あぁ、本当にまずい、本当にダメ、くすぐった過ぎて……
「あはははははは!! くるしいぃぃ!! ひーっひっひっひっ!! も、もうくすぐらないでくださあぁぁひひひひひひひ!!」
笑いの中でノドはカラカラです。
プログラムである私のノドが枯れてしまうことはないですが、乾きは感じてしまいます。
二の腕には腋の下から流れ出した汗が伝って、袖に染みを作っていました。
口からはみっともなく涎を垂らして、口を閉じようにも笑いっぱなしで閉じられません。
デスクトップにポタリポタリと滴る汗と涎。
瞳からはポロポロと涙がこぼれ出していますが、これは笑いすぎによる涙だけではありません。
くすぐられるっていうのは、本当に苦しいんです。
だって、じっとしていられない場所をコチョコチョされて、じっとしていなくちゃいけないなんて、どう考えてもおかしいです。
「たすけてえぇぇえひゃっひゃっひゃっ!! 笑い死んじゃいまひゅふふふふふふふっ!」
我慢なんて出来るわけがなく、私は床に体を横たえました。
少しでもくすぐったさが薄まるかと思っての行動でしたが、コロンと横に転がっただけで、まったくの無意味。
体を起こそうにも、私は足の裏と腋の下を、それは猛烈にコチョコチョされているのですから、力なんて入れたくても入りません。
「むひひひひひ! お、起き上がれないですぅぅうははははははは! ああぅぅぅ!!」
背中を跳ね上がらせて、南下床の上を転げまわれれば、少しはくすぐったさも忘れられるかも……
一途の期待にすがった私は、背中を跳ね上がらせてみるものの、やはり無意味に体力を使うだけ。
それにしても、本当にくすぐったい!
足の裏なんて、もうくすぐったすぎて、一体どうなっているのかすら分かりません。
腋の下だって同じなんです、閉じられない腋の下の中で、柔らかでヌルヌルしたものがいっぱい暴れまわれば、くすぐったいに決まっているんです。
もうやだ……もうやだ……
苦しくて、くすぐったくて、ぜんぜん面白くないのに笑いが吹き上がってくるんです。
本当に誰でもいいから助けてください。
私はくすぐったがり屋で、リンに悪戯されて脇腹ちょんちょんでも、素っ頓狂な声を上げてしまうのに……
こんなにくすぐられ続けたのなんて、生まれて初めてです。
しかも、こんな姿で、体の自由を奪われて。
このままだと、本当に私は変になります。
変になって、変な歌ばかり歌いそう。
「ぎゃひひひひひひひひひ!! 苦しいですぅぅひゃひゃひゃひゃひゃ! ゆ、許してくだひゃひぃぃくっくっくっくっくっ!」
頭をもたげて、足をバタバタさせようにも自分の手が邪魔して動かせません。
どうして私はブーツの中から、この生き物をかき出そうなどと思ってしまったのでしょう……
もはや、そんな後悔をしても、くすぐったさから逃げることは出来ません。
「あははははは!! もうゆるひてぇぇぇくだひゃいいぃぃ!! も、もうダメ! もうだめぇぇぇ!! ぐひひひひひひひひ!!」
本当にだめ、耐えられません!
こんなにくすぐったいことがあって良いのか、それぐらいくすぐったい。
私の体はもうボロボロ、頭がぐわんぐわんと回っているみたいになって、自分の限界を遥かに超えたくすぐりが行われていることがわかります。
それなのに、ヒトデたちは、私の腋をコチョコチョコチョコチョ。
足の裏をもじょもじょもじょもじょ。
無数の刺激が私をおかしくさせようと躍起になって、容赦のないくすぐりが、まるで拷問のように私の体から体力を奪っていくのです。
苦しい……もう笑いたくない、くすぐったい……
誰かいないかと周囲に視線を向けようとしますが、もう焦点すら定まりません。
笑い続けた口からは涎が糸を引き、耳がキーンと鳴っていました。
このままだと、ほんとに、ほんとーにくすぐり殺されてしまいます!!
「ひゃぎゃあははははははは! たすけへぇぇぇっ! くすぐったいのいやぁぁぁっ!!」
残されたパワーをすべて注ぎ込み、口から発した笑いの絶叫。
誰かが気づいてくれないものかと、最後の希望を秘めた叫び声。
「おねえちゃん! って、すごいことになっちゃってる!?」
その声に私は顔を上げました。
それは、私にとっては救世主の声。
聞き覚えのある、私の妹の声。
「あははははは!! リ、リン…ふふふふふふふ! はぁぁっ…た、助けてぇぇっ!!」
投稿日:2011/05/06(金) 02:02:40
エロ過ぎる
ミクの心理描写も実に秀逸でした
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