インラインRSSがどうも動作しなくなったみたいなので、RSSへのリンク追加しました
このサイトに掲載されている作品を、無断で掲載・転載する事を禁止します。
Copyright 2007- C Powered By FC2 BLOG
生きてるけど、今は家族のことを最優先中!
「くすぐりの塔」はキャンサーさんから作品が届き次第、ちゃんと更新していきます!
(今は公開させていただいた作品が手元に届いているすべてです)
ご連絡:キャンサーさん、何度かメール送っているから、ご返信くださ~い
2008/01/24(木)に投稿された記事
球体 その2
投稿日時:22:58:15|コメント:0件|トラックバック:0件|》本文を開閉
壁が私の体に触れると同時に、肌の上に走る異質な感触。
押し潰され、骨と肉を砕かれると身構えていた私には、全く予想もしていなかった刺激に、私は思わず身をよじらせてしまう。
「ちょ……な、なにこれ!?くひっ!?」
ぐにぐにと蠢く白い壁が、私の足を包み込む。
まるで生き物のように動く壁と、細かく動く突起が、驚くほど器用に靴を脱がせ、靴下の上から肌をなぞる。
「……へぁッ!?な、なにこれぇぇ!くはっ!?ちょッ!ちょっと……ッ…!」
靴下の上から、壁が足全体を包み込み、その表面にせり出した突起が足の裏の皮膚をゴリゴリとかき混ぜる。
足の指先にも壁がグニャリと入り込み、指を引っ張るようにして、その付け根をサワサワと撫で上げる。
足の指を掴まれると、自然と足が強ばり、ピンと張った足の裏に食い込む刺激が、強まったような感じられた。
「あひッ!?ちょっとぉぉ!?ひっ!?ひひっ!ちょッ!!二人とも何とかして!うはっ!」
足の裏から流し込まれる刺激が、私の体を貫いていく。
足をばたつかせようとするが、足の指を掴まれて、思うように動かす事ができない。
くすぐったい!?
でも、どうして……!?
意図の分からない壁の行為は、確かに私の足の裏へ、くすぐったさを流し込んでいる。
痛みや苦しみを予想していた私の体は、くすぐりに備える準備などしていない。
少しずつ足から包み込んでいく壁の感触が、ふくらはぎへ達し、ふくらはぎの筋肉を突起がモニョモニョと揉み始める。
「くはっ!?くっ、くはぁッ!くくっ……こ、こんなトコ揉まないでぇッ!」
ふくらはぎを優しく揉まれる刺激。
自分でも自覚していなかった場所だけに、完全に無防備なふくらはぎへ、突起が容赦なく食い込んでくる。
筋肉を揉まれ、足の裏ほどではないが、確実にくすぐったさが流し込まれている。
「か、かがみ大丈夫!?」
上から、こなたの声。
「くひひっ!だ、大丈夫じゃなひィッ!くふふっ!」
必死に答えながら、私は何とか足にまとわりつく突起を振り払おうとする。
しかし、どんなに体を動かしても、どんなに強く足を引き抜こうとしても、ギュッと足を締め付ける壁を取り払う事はできない。
「ひひっ!!は、はひぃぃッ!?くっくっくっ……ふふっ…!ひひっ!?」
「な、なんで笑ってるの……お姉ちゃん……」
涙声のつかさ。
おそらく、私の気が触れたとでも思っているのだろうか。
「くくっ!く、くすぐったいぃ!壁がぁッ!ひひひっ!?」
「く、くすぐったい……?」
つかさが、よく分からないと言った調子で言葉を返してくる。
「か、かがみ……なんかいるの…?なんかいるの……?」
こなたが弱々しい口調で尋ねてくる。
「くくっ!か、壁がぁ!壁がくすぐったッ……ひひっ!!ふひっ!?」
こなたの問いに答えるのもままならず、激しく身もだえながら、私は少しずつ下半身を覆い尽くそうとしている壁に、必死の抵抗をする。
しかし、両腕の自由は奪われ、抵抗するとしても腰を激しく振る程度の事しかできない。
それを良い事に、突起をグニグニと動かす壁が、私の太ももに吸い付いてくる。
「くははははははっ!はひぃっ!?ふ、太ももがぁぁ!!ひひっ!?ひひひひひひひひッ!!」
太ももに触れた突起が、皮膚をグリグリと震わせる。
まるで、無数の指先で突かれているような感触に、私は思わず笑い声を上げてしまった。
「あははっ!ちょッ!はははははははっ!は、早くしてぇぇ!!ひへへっ!?ふ、太ももがぁぁッ!!」
太ももを包み込んだ壁が、ザワザワと蠢いて敏感な肌の上を撫で擦る。
包み込まれた下半身が、壁の中で小さな突起にもてあそばれている。
敏感な皮膚の上で行われる無秩序な突起のダンスが、私の中に激しいくすぐったさを送り込み続けている。
「あははははははは!ちょっと!ちょっとぉぉ!!は、早くッふふふふふっ!ははっ!もうダメだからぁぁ!!もうダメだってばぁぁぁッ!!」
下半身を覆い尽くした壁が、いよいよ上半身にも、その魔の手を伸ばし始めている。
生き物のような動きで、壁が私の体を少しずつ、焦らすように包み込んでいく……
太ももから腰へ、そして、私の弱点の1つでもある脇腹へ吸い付いた突起が、脇腹の皮膚をグニュグニュと揉み始める。
「ひゃははははははははははは!!あひゃくッ!!はっ、はやくぅ!!くへへへっ!へあぁぁはははははは!!」
「お、お姉ちゃん……わ、分かんないよぉ!!」
上からつかさの叫び声。
お前らは中学生以下か!と叫びたい気持ちでいっぱいだったが、今は、脇腹に食らいついた突起への刺激から送り込まれる、妖しい刺激に声を張り上げるのに精一杯。
つかさの言葉に答えようとするものの、口からは笑い声だけが吹き出してしまう。
「あはははははははははっ!くひひひひひっ!は、早くしてぇぇ!!無理ぃぃ!!もう無理!無理だってばぁぁあははははははははッッ!!」
「……ナ、ナイルってどこだっけ!?」
お前は小学生かっ!
こなたの言葉に、心の中で強くツッコミを入れるが、言葉にしようとしても笑いが、言葉をかき消してしまう。
「ふへへへへっ!うはははっ!うひゃぁッ!?ひひひっ!くっ……そ、そこはダメなんだってぇぇ!!くははっ!?あはははははははははははは!!」
「ないるって……お店知ってるよ?」
店じゃねぇ!!
私はつかさの言葉に腹を立てながら、脇腹から少しずつ這い上がるようにして貼り付いてくる突起の刺激に全身を震わせ続けていた。
「うひひひひひひ!も、もうダメだってぇぇ!!ちょ……もうダメ!ひひひっ!ダメだって!ダメダメ!ダメぇぇ!!あはははっ!!」
脇腹から少しずつ、少しずつ、壁が私の一番恐れている場所へ近づいてくる。
大きく開かれた腋の下、そこに突起が触れたら……
そう思うと、まだ触れられていないはずの皮膚がむず痒くなってしまう。
「あはははははははッ!そ、そこでストップ!!くははははははははッ!!お願いだからぁぁ!!うひひっ!?うはははははは!?」
しかし、私の言葉など無視して、突起はいよいよ、私の腋の下へ迫ってくる。
バンザイの格好で閉じる事も、刺激から逃れる事もできない腋の下。
そこに、グニッと突起が食い込むと同時に、今までとは比べものにならないほどの、激しい刺激が全身を駆けめぐる。
「うはははははははははははは!!あはははははははッ!?ぎひひひひひっ!ぎゃへぇぇぇぇ!?うひゃへへへッ!!」
「か、かがみ!?」
こなたの言葉、しかし、私にはそれに答える余裕はない。
「ぎひひひひひッ!!あッ……くぁッ!くはははははははッ!はっ、早くッひひっ!!あははははははは!!」
腋の下へ次々と押し寄せてくる突起。
バンザイのまま、閉じる事もできない腋の下へ、突起が次々と……
「あははははははははっ!ひひひひひっ!もうダメぇぇッ!!ホント早くしへッ!?くひひひひっ!早くヒっ!あはははっ!」
「だ、だって……わ、分かんないよっ!」
こなたの叫び声、その言葉に私の心に一気に絶望が押し寄せる。
しかし、その絶望すら、激しいくすぐったさに取り込まれ、笑い声に変わってしまう。
「ひひひひひっ!なんでもいいからぁぁぁっ!!あははははははは!は、早くしッ……あはははっ!だから腋の下はダメだって言ってるのにぃぃ!!」
腋の下に取り付き、制服の上から突起が皮膚をグニグニとかき混ぜる。
壁に吸い付かれて、制服と壁の間を突起が無造作に動き回る。
制服の上からでも、突起の刺激は敏感な腋の下を容赦なく震わせ、揉みあげる。
くすぐったい……!
苦しいッ!
笑いすぎてお腹が痛くなり、それでも強引に笑いを引き起こさせようと、私の体に突起が刺激を送り込む。
足の裏を、太ももを、脇腹を、そして腋の下を。
遠慮など知らない突起が、機械的に、しかし私の一番苦手な方法で、こちょこちょと皮膚を撫で回す。
「あははははははははっ!あははははははは!し、死ぬってばぁぁ!!死んじゃうって!くはははははっ!きしししっ!?うはははっ!?」
「お、お姉ちゃん……!」
上からつかさの言葉が聞こえるが、私の耳には、その声がひどく遠くに響く。
「ぎひひひっ!くっ……うひぃ!?ちょ、ちょっとは手加減してよぉぉ!!あはははははっ!」
何とか笑いを堪えようとするが、笑い始めたら最後、くすぐりの中で笑いを止める事など出来るはずもない。
柔らかな突起が、私の全身をコチョコチョとくすぐり回し、私の心を狂わせようとする。
「……あっ!ナイルってエジプトの!」
まだそこか!
こなたの言葉に、私は愕然としながら、くすぐったさの中で身もだえる事も出来ずに笑い転げる。
「エジプト……エジプトのナイル?ナイルさん……?」
ブブッー
上の方から、不正解の音。
「ぐひひひひっ!?はぁぅっ!つ、つかさッ……くははははっ!そこを拾うなッ…あははははははははっ!!」
笑いの中で、必死につかさへアドバイスを送る。
「……モヘンジョダロ?」
ブブッー
「くふふふっ!こ、こなたッ!?モヘンジョラロはインラスだってぇぇ!!ひひっ!あはははははははっ!!!」
笑い声の中、舌が回らなくなって来ている。
「……ヒント!」
こなたの言葉と同時に、壁に包まれている私の体に異変が起こった。
ブチュッという水っぽい音と同時に、壁の至る所から、ぬるぬるとした液体が流れ込んでくる。
それが突起と、私の体の間に流れ込むと、突起がモゾモゾとした動きから、グリグリッと肌の上で円を描くような動作に変わった。
く、くすぐったいッ!?
「ぎゃぁあははははははッッ!!あひぇぁぁあははははははははははッ!!ひぎぃくひゃぇぁぁあ!!」
ものすごく、くすぐったい!!
今までの刺激とは比べものにならないほどの刺激が、全身を駆けめぐる。
肺の中空気を一気に吹き出してしまったのではないかと思うほど、大きな叫び声を上げ、私は全身を震わせる。
「ぎへぁぎひひひひィッ!……ダメだってぇぇ!!ホント……ホントやめッ…ぎひひっ!やめてってばァァ!!」
「ご、ごめん、かがみ!ヒント出た!」
こなたの言葉。
まさか、ヒントが出ると、くすぐったさが増していくシステム!?
「ぎゃひぇあぃぃっ!!ぐひぇああっくひひひっ!?あははっ!?は、早くしでぇぇっ!?」
全身を包み込む突起と、ぬるぬるとした粘液が、私の体中をくすぐったさで包み込む。
ぐちゅっぐちゅっと、膜の内側で粘っこい音が響いている。
「……ヘロ……まる……トス?」
ああっ、こなたぁ!
そこまでヒント出てるのに、どうしてぇッ!!
「ひひひひひっ!こ、こなたッ…!ド!ドだってぇぇ!!」
「…ヘロ…まる…トスド?」
ブブッー
こなたぁぁぁ!!
くすぐったさが増して、全身が笑いに飲み込まれていく。
笑いすぎて、呼吸も苦しくなって来ている。
その中で、冗談としか思えないこなたの答えに、私は怒りの叫びを上げようと口を開く。
「ぐぎぃひひひひっ!!こ、こなたぁッ!?くははははははははははっ!あっ、ちょっ、ちょっとダメだってぇ!!ぎひぃぃ!?」
しかし、その叫び声も笑い声の中では覇気を失ってしまう。
激しいくすぐったさが、私の心を壊していく……
「ヘロ…ド…っ!ヘロドトス!」
ピンポーン
上から聞こえる「正解の音」。
同時に、私の体を包み込んでいた、壁と突起が一斉に肌から離れ、バサッと奇妙な音を立てて、本来の位置へ戻る。
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
手首の拘束も解かれ、床にドサリと横たわった私は、まだくすぐったさの余韻が残る全身を床に擦りつけながら、ただ呼吸を繰り返す。
カタカタカタッと音がして、定まらない目を向けると、上の階から階段が降りてくる所だった。
その階段を、こなたとつかさが、駆け下りて来る。
「か、かがみ……!」
こなたは、全身粘液にまみれ、目からは涙、口からは涎を垂らしたままの私の肩を抱き上げてくれた。
黒い縁が広がりつつある視界の中に見たのは、大きな瞳に涙をにじませて、私の肩を揺する、こなたの顔……
その後ろから、つかさが目から涙をぽろぽろと零しながら、私の名前を呼んでいたようだったが、ふっと私は暗い淵へと沈んでいく。
くすぐたかった……
本当にくすぐったかった……
息が苦しく、お腹が痛い。
胸がざわめくように鳴って、肺は強く酸素を欲している。
苦しくて、くすぐったくて……
でも。
全身に残るのは、くすぐりによるむず痒さの余韻。
そこに混じって、全身を愛撫される心地よさにも似た感覚。
……疲れた。