システム関連情報ブログ「ぐりにたんく」もやってます
インラインRSSがどうも動作しなくなったみたいなので、RSSへのリンク追加しました
インラインRSSがどうも動作しなくなったみたいなので、RSSへのリンク追加しました
このサイトに掲載されている作品を、無断で掲載・転載する事を禁止します。
Copyright 2007- C Powered By FC2 BLOG
!!18歳になってない人は見ちゃダメ!!
生きてるけど、今は家族のことを最優先中!
「くすぐりの塔」はキャンサーさんから作品が届き次第、ちゃんと更新していきます!
(今は公開させていただいた作品が手元に届いているすべてです)
ご連絡:キャンサーさん、何度かメール送っているから、ご返信くださ~い
2010/12/26(日)に投稿された記事
くすぐりの塔R -第9話- 『来訪者』
わーい、風邪ひいてたー(肝臓かも・・・おっかねぇ)
と言うわけで、キャンサーさんが書かれた、くすぐりの塔第9話です。
と言うわけで、キャンサーさんが書かれた、くすぐりの塔第9話です。
とある山奥。
山道からも外れ無秩序・無駄に草木の生い茂る森の中から、女性の切なげな声が漏れていた。
それは苦しげであり、時折、何かを懇願する声もかすか含まれているように聞こえた。
その発生源は森の奥深く・・・・・既に使われなくなって久しい旧山道付近。
トンネルを含めた、大きくて安全な新山道が完成して以来、この旧山道を好きこのんで利用する者は皆無であり、人の往来は極端に激減した。
山賊のアジトが近いとなれば、そうした変化も至極当然と言えるが、ある地域に関しては距離的に近道となるため、時間的余裕がなく者や足に自信のある者などは、旧山道を使用することが稀にある。
そして、時間と移動距離の節約という行為のリスクとして、何割かの確率で山賊に遭遇してしまうのである。
その旧山道から聞こえる声を聞きつけた者がいれば、それが妙齢の女性のものであることに気づいただろう。そして、旧山道選択による失敗に直面したのだろうと考えたことだろう。
実際その声の主はまだ十分に若い女性であった。
そして、声から想像できるように、彼女の現在の境遇はお世辞にも良いとは言えなかった。彼女は、全裸で樹の枝にロープで吊るされるという状況に追いやられていたのである。
両手をそろえて縛られ、丁度、人の頭の高さに引き締まった腹が位置するように、宙吊りにされ、両足首も揃えて縛られ、その先に手頃なサイズの石がくくりつけられ、全身を縦一文字状態にされていたのである。
そんな恥辱的状態の女のすぐ傍らには、一人の戦士風の男が立っており、無防備状態で全く抵抗できない肢体を、両手を用いて遠慮ない様子でわきわきとくすぐっていた。
「あ・・・ああっ・・・あいっひひひひひひひひひひひ・・・・」
女は、脇腹に指先が食い込んで蠢く度に、引きつった笑い声を漏らす。先程からの声はこのくすぐりによって、生み出された彼女の苦悶の声であったのだ。
「あひひひひっひひひひひひひ・・・や、やめろぉ・・・あああひははははははは・・」
足にくくりつけられた重しのため、無慈悲にくすぐりを続ける男を蹴飛ばすことも出来ず、彼女は苦しげに笑い続け、時折痙攣を起こしながら体を左右に振った。
なんとしてでも逃れたい一心の動きであったが、所詮その程度のことで逃れられるはずもなく、男の指は無駄な抵抗を行う彼女の全身を、とどまる様子もなく這い回った。
「こんな・・・・あっはははははははは、こん・・な・・あひひひひひひひ」
(こんなはずじゃなかった)
彼女は悶え苦しみながら、己の行為を思い起こし、そして後悔の念に駆られていた。
「おい、そこの旅人さんよぉ!」
静寂だった旧山道の一角は、その一言を発端にして賑わいを見せ始めた。
見た人々の大半が、旅の冒険者だろうと判断する風貌と装備をした一人の人物の前に、大男が立ちはだかり、ただでさえ狭い山道の行く手を遮った。
「・・・・・・」
冒険者と思われる男は、突如森から現れた邪魔者の前で足を止めた。するとそれに呼応するかの様に、周囲の木々の影から何人もの男達が姿を現し、彼を十重二十重と取り囲んだ。
「山賊か・・・・・・・」
ぶっきらぼうに旅人は言う。集団である山賊が、商人の馬車等でなく一人の冒険者を襲うのは非効率と思われそうだが、実はそうでない。
冒険者は、その路銀を重い金貨などではなく、大抵は宝石や高価なマジックアイテム(魔法付加品)にして所持し、荷物の量を軽減しているため、意外な大金を所持している場合もある。
そういった面を考えれば、護衛を雇っているだろう商人達を襲うより、一人歩きしている冒険者を襲った方が、逆に効率が良い場合があったのである。
だが山賊達は気づくべきだった。相手が山賊が出没する可能性の高い旧山道を一人で進んでいた意味に・・・
「分かってるんだったら話は早ぇ、無駄な抵抗はやめて武器を捨てな!」
最初に立ちはだかった大男が、手に持った曲刀をちらつかせ威圧的に言い寄ってきた。
山賊に囲まれた男は、無言のまま手にしていた槍を脇に投げ捨てた。
「よ~し、いい子だ。死にたくなければそのまま・・・・・・」
相手が無抵抗なのを見て、行く手を遮った大男は上機嫌になった。が、脅しの言葉は語尾になるにつれて口調は弱まり、その視線は上がっていった。
目の前の、獲物であるはずの男が、自分の脅し言葉に合わせるかのように、背中に背負っていた剣を右手で引き抜き、ゆっくりと掲げたのである。そして台詞が中断された時、大男の時は永遠に止まった。
振り上げられた剣が何の躊躇もなく振り下ろされ、大男の顔面に食い込んだのである。大男は要求を最後まで言えぬまま仰向けに倒れた。
「て、てめぇ!」
相手の思いもよらなかった抵抗に周囲の山賊は一斉に殺気立ったち、それに対し、男は不敵な笑みで応えた。
山賊のライフワークである襲撃は完遂する事は無かった。
男との戦闘能力差が圧倒的に違っていたのである。一対一では論外であり、束になっても全く勝負にはならなかった。
一人では何も出来ない故に徒党を組み、山賊と化したためか、誰一人として、よってたかっても勝てないような人間が存在するなどという事を、考えもしなかったのである。
男は、殺気だった相手には容赦なく剣を叩き込み、強気な相手に対しては手持ちの武器を破壊して戦意を砕き、逃げ腰の相手には一瞬の迷いもなく剣の腹で当て身を行い気絶させていった。
結局、三十人程いた山賊達が生死を問わず、全員が地に伏すのに五分の時間を要さなかった。
「身の程知らずが・・・・・」
剣を収め、投げ捨てた槍を拾いつつ男は呟くと、気絶で済んでいた山賊の一人を蹴り起こし、有無を言わさない勢いで槍の切っ先を突きつけた。
「っひぃ!」
目が覚めた途端に突きつけられた槍を見て、山賊は情けない悲鳴を上げた。
「頭領は誰だ?まさか最初に出てきた大男じゃないだろうな?」
つまらない言い訳など許さない雰囲気を漂わせる相手の問いかけに、山賊はぶんぶんと左右に首を振って答えた。
「ならどいつだ?生きてる奴の中にいるのか?」
山賊は辺りを見回し、倒れている仲間達の中から目的の人物を捜し出し、震える指でそれを指した。
「ん・・・あいつか?」
示された人物を見やって男は少し当惑した声を上げた。その相手が女だったのである。流石に彼も、女が山賊の頭領になっていたとは思ってもいなかったのだ。
「まぁいいか・・・・」
そう呟くと、男は眼前の山賊には目もくれず頭領の下へと歩む。確かに相手が女だった事で手加減をして、当て身だけで済ませているために死んではいなかった。
男は辺りに伏している山賊達の所持品を物色して、手頃なロープを見つけると、それで女頭領の両手首を縛り付けて手近な樹の枝に通して吊し上げた。
その上で着衣の各所に剣で切れ目を入れてはそれを引っ張り、乱暴に服を剥いでゆく。
その行為の途中、相手が気づきはしたものの、すかさず腹に一撃を加えて再び気絶させると、さっさと吊し上げを済ませ、最後の反撃も封じる為、足にもロープをくくりつけ下にあった大きな石で重しとした。
そうした行程が終了すると、男は女頭領を軽く叩いて意識を取り戻させると、曰く「交渉」を始めたのである。
「さてと・・・・形式が済んだ所で、女頭領さん。一つ取引と行きましょう」
「形式!?こんな状況で何が取引だよ!」
自分達のライフワークを再現されている事に気づいているのかいないのか、女頭領は怒りを露骨に表して叫んだ。
「その身の自由と引き替えに、金目の物をよこす・・・・・ごく自然な取引だろ」
「馬鹿言ってんじゃないよ!山賊から金を奪うなんて正気かい?」
「敗者が偉そうに言うなよ!こっちはあんた等に構って貴重な時間を費やしたんだ!その分を請求しても問題ないだろうが」
「屁理屈言ってんじゃないよ。だいたい、金目の物を持っているくらいだったら、山賊なんてやってないさ」
「・・・・・確かに説得力あるが・・・・それだって十二分に屁理屈じゃないか」
男の抗議に女はふんっと鼻息を荒げそっぽを向いた。
「・・・あ、そう。払うつもりも払う金も無いか・・・・・それなら・・・・・」
吊されながらも女頭領は、不機嫌・気丈・反抗心をミックスさせた表情で、取り合う様子を見せなかったが、男が行為に入った瞬間、不意に身体をびくりと震わせた。
表情も見る見る上気し、目をつむり、歯を食いしばり、息を止め、小さな痙攣の用な反応を繰り返し何かに耐えていたが、ついに限界に達してしまい、
「あっあっ・・・あ~~~っっははははははははははははははははは!!!!」
けたたましい笑い声を上げて悶えだした。
それもそのはず。目の前に立つ男が始めたのは、完全に無防備になっている彼女の身体をこしょこしょとくすぐる事だったのである。
「それなら仕方ない・・・あんたの身体で楽しませてもらって代わりにさせてもらうよ」
そう言って、男の指は一時の休みも無く女体の上で動き続けた。
「あはっあはっ!こ、こんなので・・・あひひひひ・・代わりにするなぁ~~いやっはははははははははは!!」
吊されほとんど固定されている彼女に、その指から逃れる術など最初からなく、少しでも楽になろうと必死で身体を捩る仕草も、責める側から見れば誘っているかのようにも見える煽動的な動きでしかない。
その艶めかしい動きに知らず知らずのせられたのか、男は意識していないのだが、その指による責めを徐々に激しいものにしていった。
「こ、この変態、あひひゃはははははははは!!ふ、普通なら・・・いっひひひひひひひひひ!!」
こみ上げる笑いでまともに抗議の声すら吐き出せない女頭領であったが、男にはだいたい何が言いたいかを予想できた。
「生憎だな。普通に犯して、相手も悦ばせる様な事はさせないさ。もっとも、このくすぐりってのも、やりようでは気持ちよくなるそうだけどね」
そう言って男は、相手を苦しませるためのくすぐりを集中的に行った。それは特に注意や技術などを要する事でもなく、とにかく相手が激しくくすぐったがる場所を思いっきりくすぐり、反応が鈍化すれば別のポイントに指をずらす。それによって相手に息吐く暇を与えず笑い悶え続かせるのである。
責める方は楽しいが、受ける方は地獄でしかない。その行為が延々と、男に気が済むまで続けられるのである。
あれからどれだけくすぐられたか?
笑い悶えながら女頭領は襲った相手が悪かったと、今更ながらに悔やんだ。助かるためなら何でもすると懇願もしてみたが、旅をする男が縄張りが決まっている山賊の服従意思を受諾するはずもない。
激しいくすぐったさで気が狂いそうな状況下で、女頭領はそれこそ必死になって考えた。そして記憶の片隅にあった事を情報として提供する事を思いつき、その旨を訴えかけた。
情報を提供した本人すらマユツバと思っていた類のネタであったが、幸運にもこの内容に男は関心を示した。
男は告げられた内容に関して考えている間も、しっかりと指を動かし続け女頭領をのたうち回らせていたが、やがて一つの結論に達する。
「その話、本当だろうな?」
今尚、手を休める様子もなく、男が問いかけた。
「あひっ、あっあはっ、いひひゃははははははは!ほ、本当だって、きひひひひひひ、だから、だから、あ~っははははははははははっ!!!」
そんな要望に応えてか、男はくすぐりの手をようやくにして止めた。そして真偽を彼女に問おうとせず、周囲に倒れている山賊達の中から適当な者を見つけて詰め寄った。
「ひっ!」
近づいてくる男に、脚を斬りつけられてろくに歩けない状態になっていた山賊は恐怖した。今の彼等の目には、男は魔人同様に見えているに違いなかった。
「逃げるな、少し聞きたいことがあるだけだ」
言うまでもなく、山賊に逃げる気力は残っていなかった。
眼前までやって来た男は、腰の鞘から引き抜いた大きなナイフの切っ先をぴたりと山賊に向けると、有無を言わせぬ様子で問いかけた。
「今の・・・お前の親分の言った事、聞いていたよな?あの話は本当か?」
問いつめる男にはそのつもりはなかったが、山賊には下手な嘘を言えば殺されると言った意識が根付いていたため、その返事は無様なくらい震えていた。
「ほ、ほっ、ほん、本当だ・・い、いや、本当です。と、頭領が女だって事もありやしたが、山賊・・俺達山賊じゃ、門前払いされるだろうって、噂してたんです・・・・し、信じてくだせぇ!」
男はふと考え込んだ。話の内容を吟味し、今後の事を考え出したのだ。
沈黙すること数分。結論に至った男は、視線を再び手前の山賊に向けた。
「・・・・・・!」
信じてもらえなかったのか?一瞬山賊の背筋に冷たい物が走った。
恐怖に駆られて逃げ出そうとする山賊を、男が取り押さえた。
「や、やめ・・・命だけは・・・・」
「何を勘違いしてる・・・・・・・・・・・・」
男は山賊を引き寄せると、何かを耳打ちした。最初おびえていた山賊であったが、次第に緊張は解け、時折頷いたりして話に聞き入った。
「まぁ、これは俺の勝手な解釈だ。最終的にどうするかはお前達次第だ」
「た、確かに・・・・・・」
山賊が頷くのを見て、男はその場を離れた。そして、吊されている女頭領の傍らを通り過ぎる際、
「あんたの話を買ってやる」
そう言い残し、彼は荷物を全て拾い、そのまま山道へと戻っていった。
「理想郷・・・・か・・・・」
しばらくの間、山道を進んでいた男は、女頭領から聞いた話を思い出して、ふと呟いた。
その時、彼の背後の遠いところで、女の悲鳴と笑い声が入り交じった絶叫が、かすかに耳に届いた。
その声の正体を知る男は口元に僅かな笑みを浮かべた。
あの時、彼は山賊にこう言い残した。
『お前達の、今回の敗北の原因は誰にある?俺の実力を見抜けなかった責任は誰にある?お前達の今の親分は本当にその器か?お前達は女にこき使われる山賊か?もっと頭領に相応しい奴がいるんじゃないのか?今、親分はあのざまだ。この一件を口実に地位交代を求めてはどうだ?暴力的行為でなくても、女を『説得』する方法は今、見ていただろ?』
などと言った事を・・・・・・
事実上の煽動と言っても良かったが、積極的にたきつけてもいないので、どのような結果になるか、ある程度の興味もあった。
が、やはり結果は彼の予想した通りであったらしく、あの女頭領は、今回の失敗を口実に、配下の男達によるお仕置きを受ける事となったようだ。
だが既に、彼のは山賊達に対する関心は無くなっていた。今、彼の心を支配しているのは、山賊達が証言した『理想郷』の存在だけだった。
数日後、男は獣道ですらない道のを藻掻くように歩いていた。
「ち・・・・畜生、あ・・・あの・・くそ山賊共!何が男の理想郷だ!何が谷間に隠れているだ!山二つ越えても何も見あたらないじゃないか!!」
男は大きく呼吸しながら愚痴った。そうでもしなければやってられなかったというのが本音だ。
あの時、山賊の女頭領は我が身の解放を取引材料に『情報』を売り、男はそれを承諾した。つまりはその話を信じたのだ。
曰く、
『この先を進んだ険しい谷間に、隠された『王国』があり、しかもそこは女性しか存在しない国だという。その国は今、何かしらの危機に直面し強き男を求めており、条件に見合っていれば聖戦士としてもてなしてくれるはずだ・・・・という。迎え入れられれば、まさに男の理想郷の様な待遇が待っているはず・・・・』
・・・・・・と。
第三者の視点で聞けば怪しい事この上ない内容なのだが、死の恐怖に直面した山賊達があの場で嘘を言えるとは到底思えないと判断した彼は、かたくなにその言葉を信じ、示された方向へ黙々と進んでいたのである。
道は一日目でとうになくなっていながら、道無き道をひたすら進んだのも、彼の純粋なスケベ心の成す技である。
困難ではあっても、その先の理想郷を想い意気揚々と進む彼だったが、道のりは辛く険しく、樹海となった谷間はとても国の存在する立地条件とは思えなかった。
五日後、ひょっとして騙されたか?とようやく思い始めたが、今更回れ右をして戻ったところで、山賊達はなわばりを放棄して逃げているだろうし、何より今更戻っても笑い者になるだけと判断した彼は、特にあてのない旅路であった事もあり、そのまま進む事にしたのである。
更に数日後・・・・
幾つか目の山の山頂の、切り立った崖に辿り着いた彼は、ずっと先の谷間の陰に僅かに先端を覗かせる塔らしき建築物を偶然に発見し、そこを注意深く観察する事によって、木々よりも遙かに高く・太く、垂直にそびえる塔らしき人工物があるのを確認し、そのすぐ近くに、森に隠れるように存在する街らしき物を発見する事ができた。
「いよっしゃぁー!!」
一瞬自分の目を疑った男も、それが現実と分かると思わずガッツポーズを取っていた。
あれが山賊が言う『理想郷』である保障は何もない。だが、今の彼は久方ぶりに目にした人の街そのものに感動していた。数日間続いた樹海の旅は、思った以上に彼の心身に負担をかけていたのだった。
「いっくぞぉ~!!!」
端から見ると蛮族そのものの雄叫びを上げて、男は山の斜面を駆け下りていた。視界に入ったとは言え、それは山頂からの視界であり、彼とその街の間にはまだまだ広大な樹海が広がっていた。
それでも男は落胆はしない。彼にとって視界に入った範囲であれば、それは全てもうすぐ・・・という言葉で済ませることの出来る範囲であったのだ。
「まともなベットで眠れる。まともな食事が出来る。質素でも人間の住処であればそれで十分!」
ほとんど鼻歌のように呟きながら男はステップを踏みながら進む。目的地が見えた以上、間を隔てる樹海など精神的苦痛にはならなかったようで、その精神の高揚は肉体の負担すらも忘れさせていた。
それから後、彼は数度モンスターと遭遇したが、高揚感に支配されている彼は片手間のようにそれを撃退し、遂に念願の目的地に辿り着くことが出来た。
「・・・・・・・・・・・っ!!!!」
誰もいない、誰も見えない、質素な城下町の門前で、男は一人勝手に達成感に浸り、高々と右腕を上げていた。
今、彼とこの国の運命を大きく左右する出来事の幕が新たに開けようとしていた。
山道からも外れ無秩序・無駄に草木の生い茂る森の中から、女性の切なげな声が漏れていた。
それは苦しげであり、時折、何かを懇願する声もかすか含まれているように聞こえた。
その発生源は森の奥深く・・・・・既に使われなくなって久しい旧山道付近。
トンネルを含めた、大きくて安全な新山道が完成して以来、この旧山道を好きこのんで利用する者は皆無であり、人の往来は極端に激減した。
山賊のアジトが近いとなれば、そうした変化も至極当然と言えるが、ある地域に関しては距離的に近道となるため、時間的余裕がなく者や足に自信のある者などは、旧山道を使用することが稀にある。
そして、時間と移動距離の節約という行為のリスクとして、何割かの確率で山賊に遭遇してしまうのである。
その旧山道から聞こえる声を聞きつけた者がいれば、それが妙齢の女性のものであることに気づいただろう。そして、旧山道選択による失敗に直面したのだろうと考えたことだろう。
実際その声の主はまだ十分に若い女性であった。
そして、声から想像できるように、彼女の現在の境遇はお世辞にも良いとは言えなかった。彼女は、全裸で樹の枝にロープで吊るされるという状況に追いやられていたのである。
両手をそろえて縛られ、丁度、人の頭の高さに引き締まった腹が位置するように、宙吊りにされ、両足首も揃えて縛られ、その先に手頃なサイズの石がくくりつけられ、全身を縦一文字状態にされていたのである。
そんな恥辱的状態の女のすぐ傍らには、一人の戦士風の男が立っており、無防備状態で全く抵抗できない肢体を、両手を用いて遠慮ない様子でわきわきとくすぐっていた。
「あ・・・ああっ・・・あいっひひひひひひひひひひひ・・・・」
女は、脇腹に指先が食い込んで蠢く度に、引きつった笑い声を漏らす。先程からの声はこのくすぐりによって、生み出された彼女の苦悶の声であったのだ。
「あひひひひっひひひひひひひ・・・や、やめろぉ・・・あああひははははははは・・」
足にくくりつけられた重しのため、無慈悲にくすぐりを続ける男を蹴飛ばすことも出来ず、彼女は苦しげに笑い続け、時折痙攣を起こしながら体を左右に振った。
なんとしてでも逃れたい一心の動きであったが、所詮その程度のことで逃れられるはずもなく、男の指は無駄な抵抗を行う彼女の全身を、とどまる様子もなく這い回った。
「こんな・・・・あっはははははははは、こん・・な・・あひひひひひひひ」
(こんなはずじゃなかった)
彼女は悶え苦しみながら、己の行為を思い起こし、そして後悔の念に駆られていた。
「おい、そこの旅人さんよぉ!」
静寂だった旧山道の一角は、その一言を発端にして賑わいを見せ始めた。
見た人々の大半が、旅の冒険者だろうと判断する風貌と装備をした一人の人物の前に、大男が立ちはだかり、ただでさえ狭い山道の行く手を遮った。
「・・・・・・」
冒険者と思われる男は、突如森から現れた邪魔者の前で足を止めた。するとそれに呼応するかの様に、周囲の木々の影から何人もの男達が姿を現し、彼を十重二十重と取り囲んだ。
「山賊か・・・・・・・」
ぶっきらぼうに旅人は言う。集団である山賊が、商人の馬車等でなく一人の冒険者を襲うのは非効率と思われそうだが、実はそうでない。
冒険者は、その路銀を重い金貨などではなく、大抵は宝石や高価なマジックアイテム(魔法付加品)にして所持し、荷物の量を軽減しているため、意外な大金を所持している場合もある。
そういった面を考えれば、護衛を雇っているだろう商人達を襲うより、一人歩きしている冒険者を襲った方が、逆に効率が良い場合があったのである。
だが山賊達は気づくべきだった。相手が山賊が出没する可能性の高い旧山道を一人で進んでいた意味に・・・
「分かってるんだったら話は早ぇ、無駄な抵抗はやめて武器を捨てな!」
最初に立ちはだかった大男が、手に持った曲刀をちらつかせ威圧的に言い寄ってきた。
山賊に囲まれた男は、無言のまま手にしていた槍を脇に投げ捨てた。
「よ~し、いい子だ。死にたくなければそのまま・・・・・・」
相手が無抵抗なのを見て、行く手を遮った大男は上機嫌になった。が、脅しの言葉は語尾になるにつれて口調は弱まり、その視線は上がっていった。
目の前の、獲物であるはずの男が、自分の脅し言葉に合わせるかのように、背中に背負っていた剣を右手で引き抜き、ゆっくりと掲げたのである。そして台詞が中断された時、大男の時は永遠に止まった。
振り上げられた剣が何の躊躇もなく振り下ろされ、大男の顔面に食い込んだのである。大男は要求を最後まで言えぬまま仰向けに倒れた。
「て、てめぇ!」
相手の思いもよらなかった抵抗に周囲の山賊は一斉に殺気立ったち、それに対し、男は不敵な笑みで応えた。
山賊のライフワークである襲撃は完遂する事は無かった。
男との戦闘能力差が圧倒的に違っていたのである。一対一では論外であり、束になっても全く勝負にはならなかった。
一人では何も出来ない故に徒党を組み、山賊と化したためか、誰一人として、よってたかっても勝てないような人間が存在するなどという事を、考えもしなかったのである。
男は、殺気だった相手には容赦なく剣を叩き込み、強気な相手に対しては手持ちの武器を破壊して戦意を砕き、逃げ腰の相手には一瞬の迷いもなく剣の腹で当て身を行い気絶させていった。
結局、三十人程いた山賊達が生死を問わず、全員が地に伏すのに五分の時間を要さなかった。
「身の程知らずが・・・・・」
剣を収め、投げ捨てた槍を拾いつつ男は呟くと、気絶で済んでいた山賊の一人を蹴り起こし、有無を言わさない勢いで槍の切っ先を突きつけた。
「っひぃ!」
目が覚めた途端に突きつけられた槍を見て、山賊は情けない悲鳴を上げた。
「頭領は誰だ?まさか最初に出てきた大男じゃないだろうな?」
つまらない言い訳など許さない雰囲気を漂わせる相手の問いかけに、山賊はぶんぶんと左右に首を振って答えた。
「ならどいつだ?生きてる奴の中にいるのか?」
山賊は辺りを見回し、倒れている仲間達の中から目的の人物を捜し出し、震える指でそれを指した。
「ん・・・あいつか?」
示された人物を見やって男は少し当惑した声を上げた。その相手が女だったのである。流石に彼も、女が山賊の頭領になっていたとは思ってもいなかったのだ。
「まぁいいか・・・・」
そう呟くと、男は眼前の山賊には目もくれず頭領の下へと歩む。確かに相手が女だった事で手加減をして、当て身だけで済ませているために死んではいなかった。
男は辺りに伏している山賊達の所持品を物色して、手頃なロープを見つけると、それで女頭領の両手首を縛り付けて手近な樹の枝に通して吊し上げた。
その上で着衣の各所に剣で切れ目を入れてはそれを引っ張り、乱暴に服を剥いでゆく。
その行為の途中、相手が気づきはしたものの、すかさず腹に一撃を加えて再び気絶させると、さっさと吊し上げを済ませ、最後の反撃も封じる為、足にもロープをくくりつけ下にあった大きな石で重しとした。
そうした行程が終了すると、男は女頭領を軽く叩いて意識を取り戻させると、曰く「交渉」を始めたのである。
「さてと・・・・形式が済んだ所で、女頭領さん。一つ取引と行きましょう」
「形式!?こんな状況で何が取引だよ!」
自分達のライフワークを再現されている事に気づいているのかいないのか、女頭領は怒りを露骨に表して叫んだ。
「その身の自由と引き替えに、金目の物をよこす・・・・・ごく自然な取引だろ」
「馬鹿言ってんじゃないよ!山賊から金を奪うなんて正気かい?」
「敗者が偉そうに言うなよ!こっちはあんた等に構って貴重な時間を費やしたんだ!その分を請求しても問題ないだろうが」
「屁理屈言ってんじゃないよ。だいたい、金目の物を持っているくらいだったら、山賊なんてやってないさ」
「・・・・・確かに説得力あるが・・・・それだって十二分に屁理屈じゃないか」
男の抗議に女はふんっと鼻息を荒げそっぽを向いた。
「・・・あ、そう。払うつもりも払う金も無いか・・・・・それなら・・・・・」
吊されながらも女頭領は、不機嫌・気丈・反抗心をミックスさせた表情で、取り合う様子を見せなかったが、男が行為に入った瞬間、不意に身体をびくりと震わせた。
表情も見る見る上気し、目をつむり、歯を食いしばり、息を止め、小さな痙攣の用な反応を繰り返し何かに耐えていたが、ついに限界に達してしまい、
「あっあっ・・・あ~~~っっははははははははははははははははは!!!!」
けたたましい笑い声を上げて悶えだした。
それもそのはず。目の前に立つ男が始めたのは、完全に無防備になっている彼女の身体をこしょこしょとくすぐる事だったのである。
「それなら仕方ない・・・あんたの身体で楽しませてもらって代わりにさせてもらうよ」
そう言って、男の指は一時の休みも無く女体の上で動き続けた。
「あはっあはっ!こ、こんなので・・・あひひひひ・・代わりにするなぁ~~いやっはははははははははは!!」
吊されほとんど固定されている彼女に、その指から逃れる術など最初からなく、少しでも楽になろうと必死で身体を捩る仕草も、責める側から見れば誘っているかのようにも見える煽動的な動きでしかない。
その艶めかしい動きに知らず知らずのせられたのか、男は意識していないのだが、その指による責めを徐々に激しいものにしていった。
「こ、この変態、あひひゃはははははははは!!ふ、普通なら・・・いっひひひひひひひひひ!!」
こみ上げる笑いでまともに抗議の声すら吐き出せない女頭領であったが、男にはだいたい何が言いたいかを予想できた。
「生憎だな。普通に犯して、相手も悦ばせる様な事はさせないさ。もっとも、このくすぐりってのも、やりようでは気持ちよくなるそうだけどね」
そう言って男は、相手を苦しませるためのくすぐりを集中的に行った。それは特に注意や技術などを要する事でもなく、とにかく相手が激しくくすぐったがる場所を思いっきりくすぐり、反応が鈍化すれば別のポイントに指をずらす。それによって相手に息吐く暇を与えず笑い悶え続かせるのである。
責める方は楽しいが、受ける方は地獄でしかない。その行為が延々と、男に気が済むまで続けられるのである。
あれからどれだけくすぐられたか?
笑い悶えながら女頭領は襲った相手が悪かったと、今更ながらに悔やんだ。助かるためなら何でもすると懇願もしてみたが、旅をする男が縄張りが決まっている山賊の服従意思を受諾するはずもない。
激しいくすぐったさで気が狂いそうな状況下で、女頭領はそれこそ必死になって考えた。そして記憶の片隅にあった事を情報として提供する事を思いつき、その旨を訴えかけた。
情報を提供した本人すらマユツバと思っていた類のネタであったが、幸運にもこの内容に男は関心を示した。
男は告げられた内容に関して考えている間も、しっかりと指を動かし続け女頭領をのたうち回らせていたが、やがて一つの結論に達する。
「その話、本当だろうな?」
今尚、手を休める様子もなく、男が問いかけた。
「あひっ、あっあはっ、いひひゃははははははは!ほ、本当だって、きひひひひひひ、だから、だから、あ~っははははははははははっ!!!」
そんな要望に応えてか、男はくすぐりの手をようやくにして止めた。そして真偽を彼女に問おうとせず、周囲に倒れている山賊達の中から適当な者を見つけて詰め寄った。
「ひっ!」
近づいてくる男に、脚を斬りつけられてろくに歩けない状態になっていた山賊は恐怖した。今の彼等の目には、男は魔人同様に見えているに違いなかった。
「逃げるな、少し聞きたいことがあるだけだ」
言うまでもなく、山賊に逃げる気力は残っていなかった。
眼前までやって来た男は、腰の鞘から引き抜いた大きなナイフの切っ先をぴたりと山賊に向けると、有無を言わせぬ様子で問いかけた。
「今の・・・お前の親分の言った事、聞いていたよな?あの話は本当か?」
問いつめる男にはそのつもりはなかったが、山賊には下手な嘘を言えば殺されると言った意識が根付いていたため、その返事は無様なくらい震えていた。
「ほ、ほっ、ほん、本当だ・・い、いや、本当です。と、頭領が女だって事もありやしたが、山賊・・俺達山賊じゃ、門前払いされるだろうって、噂してたんです・・・・し、信じてくだせぇ!」
男はふと考え込んだ。話の内容を吟味し、今後の事を考え出したのだ。
沈黙すること数分。結論に至った男は、視線を再び手前の山賊に向けた。
「・・・・・・!」
信じてもらえなかったのか?一瞬山賊の背筋に冷たい物が走った。
恐怖に駆られて逃げ出そうとする山賊を、男が取り押さえた。
「や、やめ・・・命だけは・・・・」
「何を勘違いしてる・・・・・・・・・・・・」
男は山賊を引き寄せると、何かを耳打ちした。最初おびえていた山賊であったが、次第に緊張は解け、時折頷いたりして話に聞き入った。
「まぁ、これは俺の勝手な解釈だ。最終的にどうするかはお前達次第だ」
「た、確かに・・・・・・」
山賊が頷くのを見て、男はその場を離れた。そして、吊されている女頭領の傍らを通り過ぎる際、
「あんたの話を買ってやる」
そう言い残し、彼は荷物を全て拾い、そのまま山道へと戻っていった。
「理想郷・・・・か・・・・」
しばらくの間、山道を進んでいた男は、女頭領から聞いた話を思い出して、ふと呟いた。
その時、彼の背後の遠いところで、女の悲鳴と笑い声が入り交じった絶叫が、かすかに耳に届いた。
その声の正体を知る男は口元に僅かな笑みを浮かべた。
あの時、彼は山賊にこう言い残した。
『お前達の、今回の敗北の原因は誰にある?俺の実力を見抜けなかった責任は誰にある?お前達の今の親分は本当にその器か?お前達は女にこき使われる山賊か?もっと頭領に相応しい奴がいるんじゃないのか?今、親分はあのざまだ。この一件を口実に地位交代を求めてはどうだ?暴力的行為でなくても、女を『説得』する方法は今、見ていただろ?』
などと言った事を・・・・・・
事実上の煽動と言っても良かったが、積極的にたきつけてもいないので、どのような結果になるか、ある程度の興味もあった。
が、やはり結果は彼の予想した通りであったらしく、あの女頭領は、今回の失敗を口実に、配下の男達によるお仕置きを受ける事となったようだ。
だが既に、彼のは山賊達に対する関心は無くなっていた。今、彼の心を支配しているのは、山賊達が証言した『理想郷』の存在だけだった。
数日後、男は獣道ですらない道のを藻掻くように歩いていた。
「ち・・・・畜生、あ・・・あの・・くそ山賊共!何が男の理想郷だ!何が谷間に隠れているだ!山二つ越えても何も見あたらないじゃないか!!」
男は大きく呼吸しながら愚痴った。そうでもしなければやってられなかったというのが本音だ。
あの時、山賊の女頭領は我が身の解放を取引材料に『情報』を売り、男はそれを承諾した。つまりはその話を信じたのだ。
曰く、
『この先を進んだ険しい谷間に、隠された『王国』があり、しかもそこは女性しか存在しない国だという。その国は今、何かしらの危機に直面し強き男を求めており、条件に見合っていれば聖戦士としてもてなしてくれるはずだ・・・・という。迎え入れられれば、まさに男の理想郷の様な待遇が待っているはず・・・・』
・・・・・・と。
第三者の視点で聞けば怪しい事この上ない内容なのだが、死の恐怖に直面した山賊達があの場で嘘を言えるとは到底思えないと判断した彼は、かたくなにその言葉を信じ、示された方向へ黙々と進んでいたのである。
道は一日目でとうになくなっていながら、道無き道をひたすら進んだのも、彼の純粋なスケベ心の成す技である。
困難ではあっても、その先の理想郷を想い意気揚々と進む彼だったが、道のりは辛く険しく、樹海となった谷間はとても国の存在する立地条件とは思えなかった。
五日後、ひょっとして騙されたか?とようやく思い始めたが、今更回れ右をして戻ったところで、山賊達はなわばりを放棄して逃げているだろうし、何より今更戻っても笑い者になるだけと判断した彼は、特にあてのない旅路であった事もあり、そのまま進む事にしたのである。
更に数日後・・・・
幾つか目の山の山頂の、切り立った崖に辿り着いた彼は、ずっと先の谷間の陰に僅かに先端を覗かせる塔らしき建築物を偶然に発見し、そこを注意深く観察する事によって、木々よりも遙かに高く・太く、垂直にそびえる塔らしき人工物があるのを確認し、そのすぐ近くに、森に隠れるように存在する街らしき物を発見する事ができた。
「いよっしゃぁー!!」
一瞬自分の目を疑った男も、それが現実と分かると思わずガッツポーズを取っていた。
あれが山賊が言う『理想郷』である保障は何もない。だが、今の彼は久方ぶりに目にした人の街そのものに感動していた。数日間続いた樹海の旅は、思った以上に彼の心身に負担をかけていたのだった。
「いっくぞぉ~!!!」
端から見ると蛮族そのものの雄叫びを上げて、男は山の斜面を駆け下りていた。視界に入ったとは言え、それは山頂からの視界であり、彼とその街の間にはまだまだ広大な樹海が広がっていた。
それでも男は落胆はしない。彼にとって視界に入った範囲であれば、それは全てもうすぐ・・・という言葉で済ませることの出来る範囲であったのだ。
「まともなベットで眠れる。まともな食事が出来る。質素でも人間の住処であればそれで十分!」
ほとんど鼻歌のように呟きながら男はステップを踏みながら進む。目的地が見えた以上、間を隔てる樹海など精神的苦痛にはならなかったようで、その精神の高揚は肉体の負担すらも忘れさせていた。
それから後、彼は数度モンスターと遭遇したが、高揚感に支配されている彼は片手間のようにそれを撃退し、遂に念願の目的地に辿り着くことが出来た。
「・・・・・・・・・・・っ!!!!」
誰もいない、誰も見えない、質素な城下町の門前で、男は一人勝手に達成感に浸り、高々と右腕を上げていた。
今、彼とこの国の運命を大きく左右する出来事の幕が新たに開けようとしていた。
あとがき
今作品の主人公、放浪者キーン初登場です。
主人公にも関わらず今頃になっての登場には、当然ながらの諸事情が・・・・
初代の塔を連載時より御存知であればご理解頂けると思うのですが、彼の存在は実質後付設定です。
初代では、前作の「メルフィメール陥落」で物語は終わって(ゲームで言えばBAD・END)いたのですが、当時の応援メールやチャットで続編の望む声が多く寄せられ、結果、続編の勇者降臨編が誕生した次第です。
そうした経緯で突如として誕生したキーンでしたが、今やAFの世界の鍵みたいな巨大な存在へとなってしまいました。
もし当時、「反撃」が最初から予定されていたら、「勇者」はキーンではなく、メルフィメールのおちこぼれ戦士(もちろん女戦士)が務めていたかもしれません。
で、毎度毎度敗れてはくすぐり責めにあってしまう・・・・と。
ただ、それでどうやって魔王に勝つ?なんて難題が生まれてしまい、結果、全く別な作品になっていたかも知れません。
まぁ、あくまでコレは振り返ってみて・・・ですが、今、触れた女戦士(勇者)ネタも別作として考えてみても良いかな・・・・・なんて思う次第です。
今作品の主人公、放浪者キーン初登場です。
主人公にも関わらず今頃になっての登場には、当然ながらの諸事情が・・・・
初代の塔を連載時より御存知であればご理解頂けると思うのですが、彼の存在は実質後付設定です。
初代では、前作の「メルフィメール陥落」で物語は終わって(ゲームで言えばBAD・END)いたのですが、当時の応援メールやチャットで続編の望む声が多く寄せられ、結果、続編の勇者降臨編が誕生した次第です。
そうした経緯で突如として誕生したキーンでしたが、今やAFの世界の鍵みたいな巨大な存在へとなってしまいました。
もし当時、「反撃」が最初から予定されていたら、「勇者」はキーンではなく、メルフィメールのおちこぼれ戦士(もちろん女戦士)が務めていたかもしれません。
で、毎度毎度敗れてはくすぐり責めにあってしまう・・・・と。
ただ、それでどうやって魔王に勝つ?なんて難題が生まれてしまい、結果、全く別な作品になっていたかも知れません。
まぁ、あくまでコレは振り返ってみて・・・ですが、今、触れた女戦士(勇者)ネタも別作として考えてみても良いかな・・・・・なんて思う次第です。