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2008/04/27(日)に投稿された記事
桃華とタママないしょの遊び!であります その1
投稿日時:14:45:24|コメント:0件|トラックバック:0件|》本文を開閉
両手首に巻き付けられたモコモコとしたタオルのような腕輪の先。
自由になる両手の甲にペタペタと触れる冷たいパイプの感触を感じながら桃華は思っている。
コンクリートが打ちっぱなしになっている壁には、通気のためだろうか、所々の小さな穴が空いている。
元々、ここは広大な庭の手入れをするための農具やらが収められていた倉庫だと聞いたが、小汚さは微塵にも感じられない。
屋敷から少し離れた庭の一角、以前は畑だったと聞いた場所は背の高い雑草が生い茂り、立ち入る人もほとんどない。
うち捨てられたように佇むコンクリートの倉庫の存在に気づいたのは、桃華が小学校2年生の時だった。
同じ年代の友達が近所にいなかった事や、彼女の特殊な家庭事情もあって遊びと言えば部屋での人形遊びばかり。
そんな彼女にとって、そのコンクリート造りの倉庫は謎の施設であり、ひどく魅力的に感じられた。
数週間かけて倉庫の中を掃除して、部屋から色々な物を持ち込んでみたりした。
彼女の教育係でもある執事に怒られた時は、ここでしばらく住んでみよう、などと思ったりした事もあった。
薄暗い天井を見上げながら、桃華は遙か昔の思い出を脳裏に巡らせ、いつの頃に倉庫への興味が失せてしまったのだろうかと考えていた。
この倉庫を、今さらになってこんな形で使う事に小さく自嘲しながら動かせない四肢に期待と不安を織り交ぜる。
倉庫には通気口があるものの、真夏という事もあって異様な熱気にむせび返っている。
じっとしているだけでも汗が滲むほどの気温。
湿気を帯びた空気が肌にまとわりつき、決して心地がよいとは言えない。
袖口にフリルが付いた藍色のワンピース、汗で濡れた体に布地が貼りつく感触が気になりモゾモゾと体を動かしていると、キィィと軋みを上げて鉄製の扉が開かれる。
流れ込んでくる涼しい空気、しかし、それもすぐに『バタン!』と扉が閉まる音と共に止み、何者かの気配だけが残される。
ベッドに縛り付けられた手足をモゾモゾと動かしながら、何者かの姿を必死に確認しようとする桃華。
しかし、頭を上下左右に振り回しても、何者かの姿を確認する事はできない。
ヒタヒタと近づいてくる足音。
その正体を知っている彼女も、姿が見えない不安は拭い捨てる事ができずに思わず顔が強ばってしまう。
「やっほー、モモッチ!」
耳元で聞き慣れた声が聞こえ、ほっと胸を撫で下ろす。
「タ、タマちゃん……」
コンクリートの壁に反響して自分の声が籠もって聞こえた。
「タマちゃん……どこ?」
ベッドの上で必死に視線を四方に飛ばしてタママの姿を見つけようとする桃華。
しかし、彼女の視界にはタママの姿はおろか、人一人の姿も捉える事ができない。
「どうどう?ボク見えますか?」
タママの声がした方に視線を飛ばすが、そこにはコンクリートの壁が冷たく鎮座しているだけ。
どうにも姿が見えない相手からの言葉は、それがタママのものであると分かっていても不安になってしまう。
心持ち青ざめたような表情で、彼女はフルフルとかぶりを振って見せた。
「今日は、ちょっとアンチバリアの波長を変えてみたんです。だから、突然こんな事されても……」
その言葉が終わる前に、桃華は脇腹をチョンと突かれる感触に腰を大きくくねらせる。
ワンピースの薄い布地の上から脇腹の肌を刺激され、そのままグニグニと薄い皮膚を揉まれる感覚に、桃華の口からくぐもった嬌声が漏れ出してしまう。
「くっ……た、タマちゃん……ひっ…!ひゃっ!!」
すっと脇腹を刺激していた感触が消え、気配が自分の周囲から失せるのを感じた。
目に見えないタママが、自分の周りをグルグルと回っている事を、ヒタヒタと静かに響く足音だけで感じ取る。
「どこを、どんな風にコチョコチョされるか分からないって、ちょっと楽しくないですかぁ?」
いつもなら可愛らしく聞こえるタママの言葉。
しかし、今日ばかりは異様なほど恐怖を帯びた、何かしらの処刑執行人の言葉のように耳に届く。
そんな事を思い終わる前に。
ガリッ
ベッドに縛り付けられた両足首、動かせない足の裏に突然の刺激。
腰が跳ね上がり足を引っ込めようと太ももに力を入れるが、しっかりと縛り付けられている両足首を動かす事もできない。
「ほぉら、ボーリボーリ……」
右足の裏の敏感な皮膚の上に、何か固い物が押しつけられ動かされている。
刺激に弱い足の裏を容赦のない刺激が走り回り、それだけで全身がガクガクと震え、激しいくすぐったさに汗ばんだ肌からさらに汗が滲み出す。
「はぁっ…!た、タマちゃ……ッ!ひゃはっ!?タ、タマちゃんッ…!」
足の裏に押し当てられている物は固く、足の裏以外では痛みしか感じられないかも知れない。
しかし刺激に弱い皮膚の上を乱暴にいじり回させる感覚は、桃華に対して強引に笑いを引き起こさせようとする。
「くくくっ…!はひゃぁぁっ!!あ、足の裏はッ……!」
ガリガリガリ……
音が聞こえるほどの勢いで足の裏に刺激が送り込まれる。
まだ始まったばかりだと言うのに、桃華は目を強く閉じて頭を左右に激しく振り回す。
激しいくすぐったさ、喉の奥の方では笑いが次々と生まれて、少しでも油断すれば一気に吹き出してしまいそうになる。
下唇を噛んで必死に堪えるが、タママの遠慮のない足の裏への攻撃は止む事はない。
「左の足の裏も、コチョコチョしちゃうですぅ」
「ひゃはっ!ひひっ!タ、タマちゃん……!くひっ!?」
右足の裏だけでも十分にくすぐったかったのに、左の足の裏にも新たな刺激が加わる。
動かせない両足首、大きく露出した足の裏に、姿の見えないタママが絶え間なく刺激を送り込む。
足の指の付け根の辺りから、かかとの辺りまで固い感触が何度も何度も往復し、土踏まずの辺りをボリボリと掻きむしるように刺激したかと思うと、再び指の付け根へ戻る。
「はひィっ!!あっ……あひゃぁぁッ!?うひゃっ!タ、タマちゃッ……待ってッ…くくくっ!ちょっと待ってぇぇ!!くはッ!」
いよいよ笑いを堪えるのも限界に達しようとしていた。
足の裏という敏感な場所をひっきりなしに責め上げられ、桃華の体がビクビクと正直に反応する。
くすぐったさに全身が震え、汗が滲んだ体にワンピースがベタベタに貼り付いている。
その事に構う暇もなく足の裏に加えられるくすぐったい刺激に、何度も何度も腰を浮かせては落としたり、太ももに力を入れたりしてみる。
その一つ一つの行動が、いかに無駄な行為であるかを桃華自身が良く知っているが、じっとしている事ができないのだ。
「うーん、なかなかしぶといです……」
タママの言葉と同時に足の裏からくすぐったい刺激が消え失せる。
同時に桃華の全身から力が抜け、ベッドの敷き布団の上にドサリと腰が沈み込んだ。
「…はぁ……はぁ……はぁ……」
荒い呼吸、くすぐったさの余韻を残した足の裏。
額には汗が幾筋も流れ、それが目に入って滲みる。
荒い呼吸を必死に整うようとする桃華、しかし、彼女の休息の時はそう長くは続かなかった。
「ひゃっ…!?あはっ!?くひひっ!?」
安堵していた心が再びかき乱される。
桃華の右脇腹に再び妖しげな刺激がグニグニと這い回り始めたのだ。
「…はぁぅぅぅっ!!あひゃぁぁッ!待ってってばぁぁ!!うひゃぁッ!!」
再び腰が大きく跳ね上がる。
背中をベッドの上にボフボフと叩きつけ、何とかしてタママの指先の刺激から逃れようとするが、無駄な行為は体力を確実に奪い去るばかり。
布地の上から脇腹の皮膚を指先でグニグニといじり回される。
指先が肋骨の間に入り込んだり、薄い皮膚をクニュリと摘み上げたりされる度に、桃華の全身にくすぐったい刺激が駆け巡った。
必死に耐え続けている『笑ってしまいたい』という衝動が確実に大きくなり、反対に『笑ってしまったら、もっと苦しくなる』という理性が揺らぎ始めている。
「もう笑っちゃっていいですよぉ?こちょこちょっ」
タママの言葉に桃華の頭が益々混乱する。
いつもは可愛らしいタママの言葉が、桃華の耳にはひどく妖艶な響きとなって届いてしまう。
同時に脇腹に加えられる小さな手による容赦のないくすぐりは、桃華の理性を破壊しようとジワジワと全身を侵し続けていた。
「きひッ!うくくっ!!くひゃぁぁっ!やめッ……ひゃは!あはっ!?もう……もうヤダぁぁ!!くひゃひゃッ!?」
姿が見えないタママ、しかし本当に自分の体を狂わせているのはタママなのだろうか?
姿が見えない事をいい事に、実はタママの声色を真似た何者かが自分の体をくすぐっているのではないか?
あり得ない妄想が脳裏に浮かび、打ち消そうにも不安と相成って大きく膨れあがって行く。
「はぅぅっ!?あははは!!……タマちゃ…ひぎぃっ!くはははは!!」
いよいよ笑い声を押し殺す事も出来なくなり、嬌声の中に笑いが混ざり始めた。
腹部がひどく引きつり、固く閉じていた口にも力が入らなくなって来ている。
脇腹をグニグニと揉まれたり、チョンチョンと突き回される刺激は、桃華から理性を少しずつはぎ取っていく。
桃華のくすぐったさに朦朧とし始めている理性が、ぼんやりとした言葉を吐き出し始める。
それは、自分の体を悪戯し続けているくすぐったさへの唯一の対抗手段。
同時に、自分をさらに追い詰める責め苦の始まり。
(もう……もういい……笑ってしまっていい……)