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2008/04/06(日)に投稿された記事
どかん!えろえろ!情報統合思念体
投稿日時:22:37:03|コメント:0件|トラックバック:0件|》本文を開閉
ディレクトリ:(未完成)涼宮ハルヒ - *エロエロドカン!
仮にそれが涼宮ハルヒなのだとして、彼女自身はどうして夢を見続けているのだろう。
長門は足音もなくハルヒに近づき、机の上に広がった黒髪をじっと見つめている。
僅かに肩が上下に呼吸を刻み、耳を澄ますと「すー、すー」と小さな寝息が耳に届いて来た。
仮に、今のこの瞬間が夢なのだとして、彼女は一体何を望んでいるのだろう。
宇宙人、未来人、超能力者と遊ぶ事。
しかし、それが望みなのだとしたら、究極的な望みとは一体どこにあるのだろう?
いくら問いかけても誰も答えてはくれない疑問、それをハルヒ自身に尋ねるわけにも行かない。
ただ、確かな事は……
トンと静かにハルヒの肩に手を置いた。
窓辺に主を失ったパイプ椅子が青白い蛍光灯を受けて寂しげに佇み、すっかり暗くなった景色を背景に窓ガラスには部室が鮮やかに映し出されている。
校舎にはいくつかの明かりが灯されているが3階と2階は闇に包まれ、中庭には当然のように人影はなく夜が色濃く影を落とし始めていた。
「時空間転送モード」
ポツリと長門が言うと、突如として校舎に点々と灯されていた明かりが消え、藍色を帯びた空に霧のようなものが渦巻き始める。
窓ガラスから曇りは消え、蛍光灯がパチッと音を立てて一斉に消えた。
「時間の進行方向を0.25次元に変容完了」
長門は言うと、ゆさゆさとハルヒの肩を揺さぶる。
眠りの暖かさを存分に蓄えた体、肩からカーディガンと制服を通して体温を感じた。
「……ぅ……んぅ……あさぁ……?」
「ちがう。起きて」
長門の言葉にハルヒが重たそうな瞼を持ち上げ、ゆっくりと身を起こす。
暗い部室、ストーブからはいつの間にかヤカンの上蓋が鳴る音も止んでいるが、寒さは微塵にも感じない。
もそもそと起き上がり、しばらくぼやけた頭で辺りをキョロキョロと見回していたハルヒだったが、長門の姿を見るとハッとしたように顔を上げた。
「…こ、ここどひょ…うっ」
回りきらない口で言葉を噛んだのだろうか、モゴモゴと口を動かした後。
「……ここどこ?」
言葉を言い直しながら再びキョロキョロと周囲に目配せする。
「部室。でも、いつもの部室とは違う」
長門の言葉にハルヒが顔を上げ、怪訝な表情を浮かべた。
「いつもの部室じゃないって……」
「ここは、あなたの夢の中の世界」
そう言いながら、長門は静かに部室の扉に目を向ける。
木製のドアが音もなく壁に吸い込まれ、出入り口は薄汚れた白い壁に覆われていく。
その光景を目の当たりにして、ハルヒがビクリと全身を震わせて顔を上げた。
「ゆ、有希……!?」
「私は、あなたの夢」
そう言い放ち、長門は静かにハルヒに近づく。
いつもとは異なる雰囲気が広がっている事に、長門自身も気づいているが、それに臆する事なく足を進める。
そうだ、夢だと思わせればいい。
あの時も、彼と彼女が入り込んだ世界を夢だと思い込ませる事ができた。
夢だと思い込んで、夢を見ている主が、夢の中で夢を見ている。
……ひどく滑稽に思えたが、夢を見ている主を失えば世界は確実に終わる。
それも、唐突に。
長門は静かにハルヒに近づいていく。
大丈夫、ここには何重にも情報隔壁を敷いている。
多少の情報フレアも、その隔壁で軽減されるはず。
「夢……?」
ハルヒが言う。
「そう、夢の中。あなたが望む夢。でも、朝には現実が訪れる」
黒髪を揺らしてハルヒが振り返る。
その頬は少しだけ桜色に染まり、目は憂いを含むようにして僅かに潤んでいるように見えた。
「夢……なんだ…」
少しだけがっかりしたような表情。
その瞳に少しだけ曇りを感じつつ、長門は徐々に自身の体を彼女へ近づけていく。
鼓動が早まり、呼吸が荒くなるのが分かる。
その、いつもとは異なり少しだけ近く感じる、小さな背中に身を埋めるように近づいていく。
「……あなたの望み。あなたがして欲しい事を、私はするためにいる」
そう言いながら、長門は自分の指先をハルヒの体へ伸ばす。
茶色のカーディガンの上から、指先を脇腹へあてがうが、予想と反してハルヒは一切の抵抗もなく、それを受け入れる。
その代わりに、彼女の口から小さな声が漏れる。
「くふっ…!」
脇腹の皮膚を布の上から刺激されただけで、身をよじる。
「くっ……ゆ、有希ッ……ひぎぃッ……!?」
指先に少しだけ力を込めただけ。
それなのに、脇腹を指先で指圧されただけでハルヒの体が敏感に反応する。
「ゆ、有希…ィッ!……ゆ、有希……」
くすぐったそうに小さな笑みを浮かべてハルヒは細かな身じろぎをしながら、長門の指先を必死に受け入れている。
いつもとは異なる、まるで成されるがままの彼女に、長門の心は動揺しながらも、不可解な感覚を紡ぎ上げようとしていた。
それは『もっと、悪戯をしてみたい』。