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2008/09/07(日)に投稿された記事
霊夢×萃香 ミッシング・ナイト の導入
投稿日時:04:49:01|コメント:4件|トラックバック:0件|》本文を開閉
まだ夜も浅い宵の口、神社を囲むようにして茂る竹を混ぜた雑木林には、ざわざわと風が騒ぎ始めている。
小高い山を背にして建つ神社の裏、少しばかりの薄い明かりに照らされて土蔵の倉が、ややすすけた白い壁を晒していた。
神事に欠かせない白酒を寝かせる土蔵の入り口は厚い木戸に閉ざされて、固く南京錠がかけられている。
博麗の白酒は、ここ幻想卿にあって知らぬ者はいないほどの誉れの高い銘酒。
代々の博麗の巫女に伝えられてきたと言われている紅麹を使い、その酒の色は白濁ならず紅麹の色をそのまま受けて桜色に染まり、太古から受け継がれる練酒も合わせて神事の名物とされていた。
元々、御神酒である事と、紅麹の量にも限りがある事もあって銘酒を愉しむ機会は多くはなく、春の花見の祭事と、晩秋の菰巻き(こもまき)の祭事に客人に振る舞われる程度で、ここ幻想卿にあっても幻の酒とすら呼ばれている。
その他、噂によれば博麗の巫女が私用にと仕込んだ果実酒が寝かされているとも、数百年という時で熟成された古酒が隠されているとも言われている謎の多い土蔵ではあるが、そこに忍び込もうなどと思う輩は誰一人としているはずもなく。
酒目当てで神社に立ち入っただけで、並みの人外ならば身も溶けると言われる聖地にあって、ただ流れるばかりの時のゆりかごにあやされて酒は今日も静かにその味を増していく。
バタン!ドスン!
夜の静寂を荒げるような突然の物音に、神社の雨戸がゴソゴソと擦れ合う音を立てて開かれ、中から少女がチラリと顔を出す。
訝しげに周囲を見回しながら、空を見上げれば星がちらほらと輝き始める時刻。
「……天狗倒しかしら…?」
小首をかしげながら、再び雨戸を閉じられると辺りは再び静寂と浅い闇に閉ざされる。
その様子を土蔵の明かり取りの窓からそっと伺っていた彼女は、ほっと胸を撫で下ろした。
いくら広い境内とは言え、今の音はあまりに大きすぎた。
木戸にかけられた南京錠、彼女の力であれば鉄や鉛の1つや2つ程度なら握りつぶせないわけではなかったが、一度壊してしまったなら二度と土蔵の中に忍び込む事はできなくなってしまうかもしれない。
かと言って、他に入り口があるわけでもなく、博麗の巫女の目を盗んでは隙間はないものかと偵察を続けること数日。
屋根の瓦が1つ外れて、かろうじて人一人が通れるほどの隙間がある事を見つけた彼女は、喜々として土蔵への潜入を果たしたのだが……
「…ううっ…掘り下げがあるなんて聞いてないよ……」
そう言いながら、大きな角を2つ生やした頭をさすりながら、眼下にまるで地下要塞のごとく掘り下げられた酒蔵を見やった。
赤土で固められ所々にヒビの入った裸土の掘り下げは、背丈の低い彼女にしてみれば底知れぬ大穴のごとく大きく口を開き、中からはひんやりとした空気が流れ出して来ている。
赤土の至る所からチョロチョロと湧き水が染み出して、足下の砂利をしっとりと濡らしていた。
所々に湧き水から染み出したのだろうか、透き通った水晶のような塊が付着していて、萃香はそれを指先でシャリシャリと崩しながら、螺旋状に地下へ続く斜面を下っていく。
その足下は決して歩きやすいとは言い難い凹凸で埋め尽くされているものの、ここまで来てしまえばこっちのもの。
幻想卿にあって、酒と言えば『博麗の白酒』。
酒豪と言えば『伊吹の萃香』と言われるほどの酒好きである彼女ではあるが、酒に目はなくとも、酒を呑む心得は胸に宿していると自負している。
呑めぬと聞けば飲まざるや、呑まぬと聞けば飲まさせる。
そのどちらも、過ぎたるは及ばざるが如し。
つまりは、酒は呑めば終わるし、残しておけば後々にも楽しめる。
飲めない人に無理矢理大量に飲ませるのは良くない事です。
世の摂理とは複雑なようで、その実は単純なのだ。
数分ほど斜面を下り、土蔵の最下部に至った萃香は周囲を見回して「うわぁ……」と、思わず感嘆の声を口にしてしまっていた。
赤土の土盛りの至る所に作られた台座の上。
そこに配されているのは、彼女が一抱えしても収まりきらないほどの酒壺。
そんな巨大な壺が数十では数えられないほどの数で、壁にびっしりと納められていたのだ。
濃厚な酒と麹の甘い香り。
口の中に唾液が沸いて、先ほどのマーズ・パスファインダーも顔をしかめそうな軟着陸によって、しこたま叩きつけた後頭部の痛みも和らいでいくように感じた。
「いいねいいね!目移りしちゃうよ……」
よりどりの酒壺を目で追いながら、萃香は数ある壺の中でも一際すすけて古来感じられる壺に目をつける。
それは他の壺に比べると若干大きく、その表面にはびっしりと封魔の物だろうか札が貼り付けられていた。
その尋常ならざる札の数がいささか気になる代物ではあるが、酒好きとしての本能はこう訴えかけている。
『ここに美味い酒がある』
アンケートにご協力くだちぃ・・・
http://spreadsheets.google.com/viewform?key=paSDyG5cYfb-27xyvZfLDFA
投稿日:2008/09/07(日) 09:40:02
これは秘蔵の酒に手を出してお仕置きフラグの匂いがするぜぇええ!
萃香もノースリーブの着物きてるからな~。
力は強くても腋の守りは甘い、甘すぎる。
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