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2008/01/13(日)に投稿された記事
さくらのながーい2時間目 レシーブさくら
投稿日時:23:42:43|コメント:0件|トラックバック:0件|》本文を開閉
ディレクトリ:(未完成)CCさくら - *さくらのながーい2時間目
レシーブさくら!
……私のすぐ隣の席で、荒い息を繰り返しているさくらちゃん。
私は机にへばり付くようにして、まるで、何かに身もだえるように体をひねって。
その顔は真っ赤に染まって、目尻には涙が浮かんでいるみたい。
どうしたかしら?
そうは思うものの、今は授業中。
立ち上がって、彼女に駆け寄りたい……
駆け寄って、両腕で抱きしめてあげたい。
そう強く、強く思うけれど、それは出来ません。
ああ、さくらちゃん。
顔を紅色に染めて、とても可愛らしいです。
「……!くっ…くふっ!!」
ビクッと、さくらちゃんの体が大きく跳ね上がります。
「……むふぅぅ…っ!……くふっ!……むぅっ!!」
ガタン!
さくらちゃんが蹴った机が、大きく跳ね上がり音を上げました。
どうしたの……?
「……はぁぁ……はぁぁ……くふぅっ!!……くひっ!」
「どうしたの?木之元さん?」
黒板に向かっていた観月先生が心配そうに、さくらちゃんに歩み寄ってきます。
そして、机に伏しているさくらちゃんの背中に、そっと手を当て……
「……はぁっ……はぁっ……だ、だいじょうぶ……くふっ!!」
ビクッと大きく背中を跳ね上がらせるさくらちゃん。
私はもう見ている事ができず、椅子を倒さんばかりの勢いで立ち上がりました。
「わ、わたしが保健室に連れて行きますわ!」
「大道寺さん、お願いね……」
私が、そっと、さくらちゃんの体に触れると……熱い。
彼女の腕を、自分の首に回して立ち上がらせようとしても、ひどく、さくらちゃんの体が重く感じます。
「知世ちゃん……」
涙の浮かんだ瞳、顔を真っ赤にした彼女を抱きかかえるように立ち上がらせると、ゆっくりと教室の出口へ向かいます。
その途中にも、さくらちゃんは、何度も体を震わせて……
「…くひっ!……はぅぅっ!」
と、嬌声のような声を上げています。
涙目で、今にも泣き出してしまいそうなのに。
ビクッと大きく体が震える度に、さくらちゃんの口から、くぐもった笑い声のような浅い息が漏れ出すのが、とても気になりました……
「……ひはっ!?……ともよちゃ…ッくふっ!」
びくっ!びくっ!
大きく体が震え、さくらちゃんは、何度も私の肩から離れて倒れそうになってしまう。
その小さな体を、私は必死に両腕で支えます。
「……ともよちゃん……うひっ!……た、助けて……うひゃっ!!」
「さくらちゃん……大丈夫ですよ、すぐに保健室へ……」
私が言うと、さくらちゃんは、ビクッビクッと震える体で、私の肩を必死に掴んできました。
彼女の目尻からは涙が流れ出しています。
でも、その顔は、端から見ると、少しだけ微笑んでいるみたい……
でも、私には分かっていました。
さくらちゃんは、とっても苦しんでいる。
だって、嬉しそうなさくらちゃんの笑顔ではなく、その笑顔は弱々しくて……
「ともよちゃ…ひはっ!?……はぁっ……はぁっ……はぁぁぁ!くははっ!?」
突然、明らかに笑い声で分かる声を発して、身をかがめる彼女。
私は慌てて、彼女の体を支えます。
「さくらちゃん!?さくらちゃん……!」
彼女の体がプルプルと震えて、もう、幾ばくの余裕も残されていないように、顔を真っ赤に染めています。
もしかして吐きっぽいの?
さくらちゃん……
「さくらちゃん……吐きっぽいなら、私の洋服にしてもいいですわ!」
私がスカートをめくり上げようとした時、さくらちゃんは、弱々しい笑みを浮かべて、首を横に振りました。
そして……
「と、ともよちゃッ……んっ……くははは!……はぁっ……くひひっ!?……だ、誰も…ひひっ!?誰もいない所……むひぃ!……連れて行ッ……ぷひぃっ!?」
さくらちゃんは叫ぶように、私に訴えかけています。
誰もいない所……でも保健室は…?
そんな疑問など、私には無意味でしかありません。
だって、誰あろう、さくらちゃんが望んでいることなのですから。
「わ、分かりました……知世パワー、全開ですわ!」
説明しなくてはいけません……
私、大道寺知世は、さくらちゃんのピンチになると物理法則を無視した力で、さくらちゃんをお助けすることができるのです!
フンヌー!という鼻息も荒く、両腕でさくらちゃんを抱きかかえた私は、時速よりも秒速で表現した方が分かりやすいほどの速さで、廊下を駆け抜けます。
階段を大きくジャンプし、踊り場で足を組み替えると、再びジャンプ!…です。
「とうッッ!」
私の腕の中では、ビクッビクッと大きく身を震わせている、さくらちゃん。
かわいらしいけれど、でも……とても苦しそう。
ああ、私のさくらちゃん。
なんて、かわいらしいのでしょう。
でも、あなたは、とても苦しそう。
私はできることは、あなたの望むまま、誰もいない場所へ、あなたをテイクアウトするだけ。
ラララー♪
「ともよちゃ…ッくははっ!……はぅぅっ!!……助けて……うひっ!?」
踊るようにして跳ね回る、さくらちゃんの体を抱きしめて、私は、旧校舎の社会科備品倉庫に走りました。
さくらちゃん、もう少しですよ……さくらちゃん。