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2009/02/13(金)に投稿された記事
紫さんびっくり仰天
年末の大掃除、広間の畳をひっくり返し、庭先でバシバシと叩く藍の姿を横目に見ながら紫は狼狽えていた。
藍の部屋の畳を剥がす途中、パサリと書棚から落ちた一冊の本。
『我が想いひのラブスイート日記』
藍の達筆な文字で書かれたタイトルに興味を引かれてそっと開いた一ページ目。
タイトルは『紫様と接吻哀楽プリンセス』。
スペルカードの名前といい、藍のネーミングセンスを少しばかり疑いながら、彼女は不覚にも真っ赤に染まってしまった両頬をポンポンと両手で軽く叩く。
「あの子……た、堪ってるのかしら……」
『我が想いひのラブスイート日記』
別名、藍の妄想エロ日記を持つ手が小刻みに震えてしまう。
確かに、ここ幻想郷には『性的な嗜み』というものが少ないものの、よもや、こんな官能小説もどきを完成させるまでに至っているとなると、彼女の欲求不満は相当に溜まっていると考えざるをえない。
「で、でも……た、堪ってるって言われても……」
大妖怪八雲紫の脳裏に過ぎるのは、藍の欲求不満を何とかして解消させるために一体何をすれば良いのか、という思い。
すでに、この官能エロ日記の文面を見ただけで、藍が何を求めているかは察するに余りあるものがある。
需要はあるが、紫には供給に足りるアクションを提供する自信はなかった。
しかし、藍は彼女が生み出した式。
実子というわけではないが、彼女の長い人生を共に歩み、まるで我が子のように可愛がってきた。
藍のために何かをしてあげたい、しかし……
「は、はっきり言って、こ、こういうチュー……とか、無理……よね」
大妖怪八雲紫には大きな問題があった。
それは、彼女にそうした風俗関係に関する知識が全くもって、これっぽっちも微塵にすらない、完全に皆無という事である。
藍がその持てあます性的エネルギーによって生み出した官能エロ日記に書かれているような、大胆な行動によって彼女にリードできるはずもない。
かと言って、甘い言葉で雰囲気を作り上げたり、ピロートークで余韻を醸し出せるようなテクニックなど持っているはずもなく。
さらに何より彼女は、一体何をどうしたら良いのか分からない。
「ど、どういうのを……そ、その藍は…好きなのか…し、し…知っておくのも主としての役目…よね?そうよ、そうよね」
何かを自分の中で納得させ、紫は再び藍の淫らか官能日記を広げる。
『紫様と接吻哀楽プリンセス』の次のページをめくった紫は、ビクッと背中を震わせて硬直した。
『紫様のくすぐりエクセキューション・ラビリンス』
「ラ、ラビリンスってどういう事よ……」