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2009/02/13(金)に投稿された記事
萃香がとってもクライシス その1
投稿日時:02:47:52|コメント:0件|》本文を開閉
ディレクトリ:(未完成)東方 - *クライシス8901
萃香の悲鳴じみた叫び声を聞いて、一体何事かと霊夢は慌てて萃香が眠っている隣室へと視線を向けた霊夢。
その彼女が最初に見たのは敷き布団の上。
紅色の上に日焼けしてくすんだ白色の薄布を巻いただけの決して見栄えが良いとは言えない、しなびた布団。
先ほどまで、その上には夏の暑さに耐えかねたのだろう掛け布団代わりの薄い夜着など横に払いのけて、グーグーと寝息を立てる萃香の姿があったはずだった。
しかし、彼女の姿は敷き布団の上には既になく、そこから数歩ほど離れた部屋の隅の畳の上に身を横たえている。
ゴロゴロと転げ回るように身を左右に振り回し、何かに耐えるように両腕を痛々しいほどに自分の胴体へと押しつけている。
寝ぼけているのだろうかと霊夢は思った。
しかし、畳に頬を付けて、時折背中をビクッビクッと痙攣させるように跳ね上がらせる彼女の姿は寝ぼけているようには見えなかった。
「す、萃香……?」
一歩足を踏み出して霊夢が小さく声を放つ。
その声に気づいた萃香は、驚いたように顔を上げると「くひっ!」と奇妙な声を上げて再び顔を畳に伏せてしまう。
「ちょ、ちょっと……大丈夫……?」
そう言いながら、霊夢はミラクルウォーターチヨリが言っていた言葉を再び思い出していた。
『どのように幸福なのかは、室内にいる鬼を見れば分かるだろう』
「はぁっ……!れ、霊夢ぅッ!…たすけ…へッ…!くくっ……!」
霊夢は萃香の言葉を聞きながら、まるで笑いを堪えているようだな、と思っていた。
危機感のない笑いを混ぜたような口調、顔は伏せられて見る事ができないが、萃香の体は小刻みに震え、何かを必死に耐えているようにも見る事ができる。
「ちょ…ちょっと!痛いの!?」
いよいよただ事ではないと感じた霊夢は慌てて萃香に駆け寄ると、その小さな肩に両手をそっと添える。
それに応えるように萃香は顔を上げるが、その顔を見た霊夢は再び驚きを隠せなかった。
「ね、熱……萃香、あんた具合悪いの!?」
萃香の顔は紅潮し、口からは熱を持った息が吐き出されている。
その弱々しい瞳の色からは、日頃の剛力さと豪快さは微塵にも感じられない。
目尻を下げて額には深い皺が寄り、こめかみからは一筋の汗が頬を伝っていた。
「はぁッ…!れ、霊夢ッ…くっ……あっ…くぅッ…!」
萃香は耐えるような苦々しい口調で言葉を放つと、霊夢の腕にすがるようにしがみついてくる。
その手はひどく火照って、汗でべっとりに濡れている。
「す、萃香!ちょ…ちょっと待ってなさい!今、永琳を――」
言いかけた霊夢に萃香が必死に髪の毛を振り乱しながら首を横に振ってみせる。
長い角が畳を擦る音が、室内の静寂を切り裂くように響いた。
「ち、ちがッ…うくッ!違うッ…痛くないっ…うくっ…!あぁッ…痛いんじゃないよッ…!」
そう言いながら萃香が再び顔を上げ、必死の眼差しで霊夢を見つめる。
「ひひッ!くっ……あっ…んぅッ……あぁっ!私弱いのにッ…!」
明らかに異常な反応を続ける萃香、霊夢は悶えるようにして全身を小さく震わせる彼女の肩に手を置き、そして驚いた。
肩はべっとりと汗に塗れて、手の平以上に熱い。
「す、すごい熱じゃない!あんた、注射がイヤだとか言ってないで、今すぐ永遠亭へ―――」
霊夢の言葉を遮るようにして萃香が膝で立ち上がり、霊夢の腕に抱きつくようにしてしがみつく。
すでに上着の布地には彼女の汗が滲み出し、そこからも熱による火照りが感じられた。
「はっ…!ひゃは!霊夢違うのッ!ぐ……ひっ!あっ……そこやだ!ひゃはっ!」