インラインRSSがどうも動作しなくなったみたいなので、RSSへのリンク追加しました
このサイトに掲載されている作品を、無断で掲載・転載する事を禁止します。
Copyright 2007- C Powered By FC2 BLOG
生きてるけど、今は家族のことを最優先中!
「くすぐりの塔」はキャンサーさんから作品が届き次第、ちゃんと更新していきます!
(今は公開させていただいた作品が手元に届いているすべてです)
ご連絡:キャンサーさん、何度かメール送っているから、ご返信くださ~い
2008/04/30(水)に投稿された記事
球体その6
投稿日時:21:25:47|コメント:0件|トラックバック:0件|》本文を開閉
思わず手の力を緩めそうになるが、必死に思いとどまる。
どうして……?
私の脳裏に疑問が次々と浮かび、パニックを起こしかけている心と溶け合い、絡み合い深淵の闇へ転げ落ちていくような思いだった。
顔を真っ赤にして口から笑いとも呻きとも付かない声を発して、頭を振り回しているこなた。
赤黒い液体の下敷きとなり、その中で全身を執拗にいじり回されているこなた。
そんな彼女の口から出た、予想だにしない言葉に私の頭は次第に混乱の度合いを深めていく。
汗ばんだこなたの手を掴みながら、液体の中で必死に体をくねらせてくすぐったい刺激から逃れようとしている姿を見る限り、手を離して良いはずがない。
それなのに……
「こなちゃん……?」
悲しそうなつかさの言葉が響く。
つかさも私と同じ思いなのだろう、横を見ると愕然として呆けたような表情の彼女の横顔がそこにあった。
「……こなた!離せるわけないでしょ!?何を……」
言葉を続けようとした私を制するように、こなたは片目を必死に開きながら
「違うよぉぉッ!!きしししッ……!違うんだってばぁぁぁッ!!」
と必死に私たちに何かを伝えようとしている様だった。
その悲壮すら漂わせる雰囲気も、液体の中で行われる様々な刺激による笑いに混ぜられ薄らいでいるように感じてしまう。
「な、何が……」
何が違うって言うの!と続けようとした私。
しかし、その言葉を言い終わる前に、液体の中のこなたの体に生じつつある異変に思わず口をつぐんでしまった。
赤黒い液体の中、制服の至る所をヒラヒラとはためかせるようにして全身に吸い付きグニグニと刺激し続けている透明の塊。
その塊からジンワリという様子で青色の液体が噴き出され始めたのだ。
透き通っていた液体の中が一瞬にしてどす黒く変色したかと思うと、再びその透明度を増していく。
霞みに閉ざされたように見えなくなったこなたの体が、再び私たちの視界に戻り始めた時。
私はその変化に「あ……っ!」と息を呑んでいた。
液体の中、取り込まれたこなたの体。
その胴体はすっかり液体の中に浮かび上がり、もはや私たちが手を離せば瞬く間に内部に取り込まれてしまってもおかしくない状態となり、そして……
制服がその液体の中でポツリポツリと白い泡の様な物を吐き出し始めていたのだ。
まるで入浴剤を入れた直後の浴槽のようにプクプクと白い泡が立ちのぼり、その泡だった制服が次々と色あせ消えていく。
何かに溶かされるように、こなたが身につけている制服が泡を立てて溶けて行く……
紺色のスカートは、裾の方から。
上着は袖や裾の方から浸食されるように少しずつ、しかし確実に泡となり消えていく制服。
一部取り込まれた髪の毛からは一切泡が立っていない事から、先ほどの青色の液体は洋服だけを溶かす効果があったとでも言うのだろうか?
スカートはすっかりと溶かれて、上着は腹部に巻き付く一切れの布地を残すばかりとなり、すっかり丸裸にされてしまったこなた。
その布きれもシュワシュワと泡立ち消え去った今、残されているのは胸を隠しているスポーツブラとパンティのみ。
下着姿で液体の中にフワフワと漂うようにして、相変わらず彼女は体は激しくくねらせ続けている。
「はぎひひひひひッ!くひひっ!手ぇぇぇッ!手離して!ひゃはッ……!?お願いだからぁぁぁッ!!」
こんな状態になっても手を離せと叫ぶこなた。
一体何が彼女にそんな言葉を吐かせているのか気になり、彼女の全身を観察してしまう。
脇腹の皮膚が目に見えない何かに揉まれているのだろうか、ウニウニと動き回っている。
背中にはいくつもの窪みが生まれ、それが縦横無尽に移動している。
太ももは外側と内側がグニグニと動いており、まさに巨大な手で揉みくちゃにされている様な感じなのだろうか。
足の先端辺りにはグニュグニュと動く半透明の塊があり、それがどうやら足の指と指の間に入り込み、出たり入ったりを繰り返しているらしい。
まさに全身隙間なく刺激され続けている状態で自由に体を動かすこともままならない。
地獄という言葉が相応しい状態で、どうして手を離せ、なんて事を言うのだろう。
その理由を知ったとき、私は思わず「ひっ……!」と小さく悲鳴を上げてしまった。
私とつかさが掴んでいるこなたの両手。
結果として彼女の体を液体の中へ取り込ませまいとする力が働き、彼女の両腕は大きく広げられる形となっている。
無防備に広げられた腕の付け根、すっかり液体の中へ取り込まれたそこに無数の糸のような物がモゾモゾと動き回っていたのだ。
肉眼で見た限りでは、太さは爪楊枝ほどだろうか。
その数はまさに無数という言葉が相応しく、おそらく何十では足りないだろう。
例えるとしたらクラゲの足がフワフワと舞い踊っているような……
イソギンチャクの触手がウネウネと動き回っているようにも思えた。
そんな無数の細い触手で敏感な肌の上をまさぐられては堪らない。
私たちが必死に掴んでいるこなたの手、その結果大きく開かれたままの腋の下にまとわりつく数知れないくすぐったい刺激。
これが、こなたに手を離せと言わせていた元凶だと気づいた時、私は究極の選択を迫られている事に気づいてしまった。
ここで手を離せば、こなたは腕を閉じて腋の下に対して行われている悪戯を抑え込む事ができる。
しかし、結果として液体の中へ取り込まれ窒息してしまうかもしれない。
しかし、ここで手を離さなければ、いつ終わるとも知れない腋の下への悪戯に延々と耐え続けなくてはならない。
いつまでも続くくすぐりに、こなたがいつまで耐えられるか分からない。
いや、それほど長い時間耐える事など出来ないだろう。
どちらにしても、こなたを救い出す方法は皆無に等しい。
しかし、どちらかと言えば……本当に僅かな可能性でしかないが、手を離さない方法を選択した方が彼女を救い出すチャンスはあるかも知れない。
断腸の思いで私は『このまま手を離さない』方法を選択した。
「こなた……ごめん、手は離せない……」
そうつぶやいてから、つかさの方を見る。
オロオロとしつつも、私の視線を感じたつかさは申し訳なさそうに眉を落として「…ごめん、こなちゃん……」とだけ言って俯いてしまった。
「くひひひひッ!?そ、そんなぁぁッ…ぐひゃああぁぁッ!?わ、ワキがぁぁッ……くくくッ…!くすぐったいのにぃぃ!」
見れば、こなたの腕の付け根へは次々と透明な触手が伸び、その数を増している。
身を屈めるようにして覗き込むと、こなたの大きく開かれた腋の下に次々と細い触手が突き刺さっていくのが見える。
柔らかな皮膚の上を突っつき回したり、グネグネと動いて肌を震わせたり、中には数本束になってサワサワと二の腕から腕の付け根まで往復している物もいる。
見ているこっちの方がムズムズして来そうな有様に、私の心は再び揺れ動く。
……このまま手を離してあげた方が、こなたのためになるのではないか。
「こなた、ごめん……私たちには、どうしても手を離せない……」
ブルブルと体を震わせて笑い狂うこなた。
その振動が手を通じて伝わって来る。
敏感な腋の下を無数の触手に責められて、さぞ苦しい事だろう。
そう思うと胸が張り裂けんばかりに痛み罪悪感がのし掛かってくる。
思わずポロリと瞳から涙が零れて慌てて腕でそれを拭うと、しっかりとこなたの顔を見た。
「ごめんなさい……」
こなたの虚ろな瞳をじっと見つめて、私は謝る事しかできなかった。
どちらが最良の方法かなんて分かるはずがない。
唯一分かっている事は、こなたの体をいじめ続けている液体から、今の私たちの力では彼女を救い出す事ができないと言う事。
方策はなく、妥協策もない。
まさに背水の陣の最終戦争にたった一人で向かうような心境に、百人針でも縫ってもらいたかった。
「ふひひひひッ…!かがみぃぃッ……あ、謝らない…でぇッ!……くひぃッ!?くっくっくっ……!つかさも…あははッ!は、はぅっ!そ、そこダメだって言ってるじゃんかぁぁぁ!!」
このまま手を離さなければ、こなたの身の保証ができない。
かと言って手を離す事も出来ず、万事休すかと思った、その時だった。
「お、お姉ちゃッ……ひゃあぁ!」
突然、こなたの右手を掴んでいたつかさが床に倒れ込み、こなたの手が瞬く間に液体の中へ取り込まれていく。
こなたは必死になって二の腕を脇腹に押しつけるが、強く閉じられたはずの腋の下の間からは、ウニウニと無数の透き通った触手が溢れ出している。
「ぎひゃぁぁぁッ!こ、こっちの方がくすぐった…ひぎぃぃッ!?あはははははははは!!ちょっ……くひゃぁぁああはははははははははは!!」
腋の下と胴体の間を分け入るようにして次々と触手が溢れ出し、そこに出来た隙間に新たな触手たちが次々と入り込んでいく。
肉と肉で挟み込んだ事で動きを制するはずだった触手の群。
しかし、実際には閉じられた腋の下の中で激しく蠢く触手は余計に柔らかな皮膚を刺激し回し、さらなるくすぐったさを呼ぶ結果となってしまった様だ。
腋の下の間から身をよじるようにして次々と顔を出す触手たち。
その度に、こなたの敏感な腋の下の皮膚が刺激され、こなたの体が大きくグネグネとのたうち回る。
二の腕を胴体から離して、くすぐったさを和らげてはどうかとも思ったが、仮に私が同じ状況に置かれていたとしたらくすぐり続けられている腋の下を広げる様な事は出来ないだろう。
一方、つかさは私の横で背中を床に擦りつけるようにして身もだえしている。
一体何が起きたのだろうかと目を白黒させていると、つかさが私の足を必死の形相で掴んできた。
「はぅぅっ!…お、お姉ちゃッ……ぁんッ!……お腹がぁぁっ!お腹がぁぁッ……ひゃぁうぅぅッ!?」