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2008/01/09(水)に投稿された記事
夏美をこちょこちょ その2-2
投稿日時:23:38:54|コメント:0件|トラックバック:0件|》本文を開閉
ケロロ小隊、夏美に取り付いた触手を何とかするんだ!
どのぐらいの時間が経ったのだろう。
小屋の中に響くのは、グチュッ、ヌチュッと触手が蠢く音と、夏美の乾いた嬌声だけ。
しんと静まりかえった夜の闇は、ひどく生々しく響く卑猥な音も、闇の中へ溶かし消し去ってしまう。
夏美の全身を、未だに這い回る触手の群れは、相変わらず、夏美の肌に刺激を送り込み続けていた。
どれだけ耐えても、どれだけ望んでも、触手は決して、夏美の秘部への刺激を続けてくれない。
力なく床に放られた両腕に、数え切れないほどの透き通った触手がまとわりつき、その先端は両脇の下へ伸びている。
すでに閉じる力も失われたのだろうか、袖がめくり上がり、大きく開かれた脇の下の中では、さらに多くの触手が群がり、泡立つように、皮膚をいじり回している。
「……あ…う……お…ね……が……」
虚ろな瞳からは涙が流れ出し、口からは涎が絶えず流れ落ちている。
その涙と涎をすくい取るようにしながら、触手たちは、彼女の首筋にも群がり、敏感な首の皮膚を撫で回していた。
制服はすでにぐちゃぐちゃに乱れて、上着の裾は胸の辺りまでめくれ上がっている。
ブラジャーの周辺に貼り付いた触手は、その、将来が楽しみな胸の周囲を取り囲むようにして、ブルブルと震動を送り続けていた。
露出した腹部には、まるで腹巻きのように透明なスライム状の物が取り付いて、細かな泡を立てるように、脇腹とヘソを中心に絶え間ない細かな刺激を送り続けている。
めくれ上がったスカートから伸びる2本の引き締まった足。
太ももに、網の目状に貼り付いた触手が、モニュモニュと、水っぽい音を立てながら、その皮膚を揉みくすぐり続けている。
足は靴は脱げてはいたが、まだ、靴下は脱げていない。
その靴下がボコボコと、まるで生き物のように膨れたり、縮まったりという動きを、絶えず続けている。
足の裏は、靴下の中に入り込んだスライムに、撫で揉み続けられているのだろう。
時折、夏美の体がピクピクッと痙攣する。
しかし、それも長くは続かず、またマットの上に背中を置き、触手たちが送り込む刺激を、抵抗もなく受け続けている。
これだけの刺激を、全身の特にくすぐったい場所に受けていれば、普通なら笑い転げ、すでに意識すらなかったかもしれない。
しかし、夏美の意識ははっきりしており、すでに笑い転げる力すらも残っていなかった。
(くすぐったい…くすぐったい!!)
頭の中では、すでに、時間の経過や、これから自分がどうなるのか、という思考の片割れすら残されていない。
快楽に溺れて、自ら引き込んでしまった、第二の地獄の宴。
しかし、夏美が期待した「快楽」はそこにはない。
果てしなく続く、くすぐったさの波。
笑い疲れ、全身の筋肉は少しでも動くだけで、ギギギ……と鈍い音を立ててしまう。
(くすぐったい!くすぐったい!くすぐったいよぉ!!)
ただ、脳裏に広がるのは「くすぐったい」という言葉だけ。
もう笑ったり、抵抗することもできない。
為すがままの体を、残酷にくすぐり続ける触手の群れ。
敏感な肌の上を撫で回し、揉み回し、舐め回す。
そこには、明らかな殺意もなく、明らかな知性もない。
漠然と感じるのは、生きる術。
生きるために、夏美をくすぐり続けている。
夏美の心には、すでに恐怖はなく、その代わりに悲しみも喜びも苦しみもない。
ただ、体中をくすぐられ続けていることへの、感想だけだった。
「反応あり、ここであります!」
静寂の中で、微かに聞こえる、人の言葉。
しかし、夏美にはその声を聞いても、何かをしようという思考は残されていなかった。
誰かが来たということにすら、心は無関心になっている。
(くすぐったい!!くすぐったいぃ!!)
心は冒され、人としての感情はすでに、触手たちが与え続けた刺激によって消し失せている。
夏美の心には、すでに理性は残っていない。
バンッ!と思い切りよく開かれた扉、流れ込む、小屋の中より幾分かは涼しい空気。
ムッとした湿った熱い空気が扉から流れ出す。
「うわ、熱い……」
「夏美の生体反応が弱まっている…急ぐぞ……!」
扉の向こう側から月のわずかな光りを受け、暗がりにいくつかの人影が浮かぶ。
「……ここに、ねーちゃんが…いるの?」
冬樹の問いかけに、ギロロは答えることができない。
古ぼけた、小さな小屋。
校庭の片隅で、まるで時代に取り残されたように佇む、小汚い小屋の中に、夏美がいるだろうか?
普通に考えれば、こんな所にいるはずがない。
例え、夏美がここにいたとしても、こんな古くボロボロな小屋から、彼女が脱出できないはずがない。
いるはずがない。
……だが、もし、いたとしたら?
最悪の可能性が、彼の脳裏を幾多の凄惨な光景を伴って駆けめぐり、消えていった。
「―――ギロロ、警戒せよ」
いつになく、真剣な眼差しでケロロがつぶやく。
「了解」
そう返し、インパレスガンを両手に構え、ゆっくりと歩き出すギロロ。
小屋の中には、様々な、すでに使われなくなったであろう、数多くの機材や備品が乱雑に放られている。
その一つ一つの影に、誰が潜んでいても不思議ではない。
土と砂に汚れ、熱気に熱せられたひび割れたコンクリートに進める足を、そっと潜める。
「クルル、夏美殿の場所は?」
「こう近くちゃ、探査機の信号は入力オーバーだ。目で探すしかねぇな」
1つ1つの暗がりに、銃口を光らせる。
そのギロロの心中は、決して穏やかではない。
(夏美ほどのソルジャーにも歯が立たない相手。
無論、夜間の野外戦闘術も学んでいるはず。
トラップは仕掛けられていないようだ。
だが、相手がペコポン人でない可能性も考えなくてはならない。
そうなれば……分子連結チェーンのキックトラップにも警戒しなくては)
「……ぐ、軍曹…ねーちゃんは」
「静かに……!」
冬樹の言葉をギロロが制する。
「クルル、分子チェーンの反応は?」
「ゼロ、だな」
静寂の中で、微かに聞こえる、小屋がきしむ音にすら注意を削がれてしまう。
ほんの微かな気配も、気のせいだけでは片付けられない。
1歩1歩を、もどかしいほどに、ゆっくりと進めていく。
「……あれ、音が」
「なに?」
冬樹の言葉に、ギロロが静かに耳を澄ます。
小さな小屋、そこには、しんとした静寂だけが支配している。
しかし、よくよく耳を澄ますと、わずかではあったが、水が跳ねるような音が響いている。
クチャックチュックチャッ
「……水?」
ギロロは小さく言い、雑然とし、風化の進む跳び箱に手を添えながら、そっと、小屋の奥をのぞき込んだ。
そこには……
「……な、夏…美」
ギロロは、その光景を見て唖然とし、足を止める。
手に持った、インパルスガンを取り落とし、思わず一歩後ずさった。
しなびたように黒ずんだ、運動マットの上に、夏美はいた。
大きく見開かれた瞳には、すでに光りはない。
口から流れ出した唾液が、ピチャッ、ピチャッと音を立てて、マットを汚している。
涙は頬から額へも伝い、顔は真っ赤に染まっていた。
髪を結いだゴムはちぎれて、長い髪の毛がマットに振り乱されている。
所々に土と、砂をこびりつかせて、そこには、日頃の清潔感は感じられなかった。
制服は茶色い土と、灰色の砂、汗なのか唾液なのか分からない液体で濡れた部分は、黄ばみすら浮かびつつある。
めくり上がった制服の下の肌は、土と汗で汚れて、下半身に至っては、スカートがめくり上がり、股間の辺りには染みが広がって、独特のアンモニア臭を放っていた。
両手両足は振り出されて、コンクリートには、彼女が必死にもがいたのだろうか、数え切れないほどの筋が残されている。
指先からは血がにじみ出し、手の甲には紫色のアザが、いくつも広がっていた。
そして、夏美の体の上でうごめく、透明のもの。
彼女の体の至るところで動く、細い糸状の物が、グチュッ、グチュッと音を立てていた。
「ね……ねーちゃん!!」
取り乱し、駆け寄ろうとする冬樹を、ギロロは震える手で制した。
無言で、口を固くつぐむ。
わずかに上下する、夏美の胸。
まだ生きている……ギロロは、そのことに胸を撫で下ろしながら、ひどく残酷に思えた。
これほどの醜態を晒してまで、生かされている。
年頃の女性にとっては、死ぬことよりも恥ずかしいことに違いない。
心がグッと痛む。
「……ケロロ」
「……夏美殿を救出後、ただちに蘇生措置。生体への損傷の修復を最優先」
ギロロは静かに、ケロロの顔を見た。
そして、ゆっくりと夏美に近づこうとするが、彼の腕をケロロが握る。
「……」
「ギロロ、防護服を」
「……俺には必要ない…!」
思わず、言葉が荒くなる。
ケロロは、そんな彼の心中を察したのだろうか、優しく首を横に振った。
そして、彼の口調に似つかわしくない、深く低い声で、
「夏美殿に取り付いている物体の、詳しい状況が分からない以上、最善の安全策が必要と判断」
そして、その言葉に続けて、
「ギロロ、お前まで、夏美殿のようになったら、誰が夏美殿を助けるのでありますか……?」
と付け加えた。
「ケロロ……だ、だが…」
「命令であります」
「りょ、了解……ッ」
吐き捨てるように、しかし、ギロロは確かなケロロの優しさを感じながら、夏美に背を向けた。
夏美に取り付いている物体、おそらく、液状活動体に違いない。
しかし、無害なはずの生物がなぜ。
液状活動体を持ち込んだケロロも、この生物が無害であることを知っていたのだろう。
だから持ち込んだ。
管理はずさんだったが、ペコポン人にとっては不快である以外に、基本的に無害であるはずの液状活動体。
「……クルル、防護服を用意してくれ」
言い放ったギロロは、すっと足を滑られるように小屋の出口へと向かって歩き始めた。